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□Unexpected
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「……ふむ、確かに十年後に来たばかりでは、私のことを知らないのも無理はない」
「十年後……?」

男の言葉を聞いて、真っ先に思い浮かんだのは十年バズーカだった。
さっきの衝撃は十年バズーカに当たったものだったのだろうか?だとすれば、ここは十年後の世界なのだろうか?

(でも、何で……?)

頭の中が疑問だらけで混乱していたツナは、男が間近まで迫ってきていることに気が付かなかった。

「どれ……」
「っ…!」

ハッとした時には遅く、いつの間にか目の前に来ていた男に手首をつかまれてしまう。

「い、痛っ…!」
「ふっ…この時代のボンゴレ十代目でなくて残念だが、この幼い姿も悪くはないな」
「ゃっ、はなせっ…!」

身体をグッと引き寄せられて、至近距離で舐めるように見られツナはゾッとした。何とか振りほどこうとするが、強くつかまた手はびくともしない。

「くくっ…さて、我々の目的はボンゴレリングだが…ようやく長年焦がれたボンゴレ十代目を捕えることができたのだ。手を出しても文句はあるまい」
「ッ…!」

男から不穏な気配を感じ取ったツナの表情が強ばる。

(に、逃げないと……!)

死ぬ気になれば、飛んで窓からでも逃げることができる……ツナは、つかまれていない方の手で、ズボンのポケットに入っているグローブと死ぬ気丸に手を伸ばそうとした。

だが、その前に男があっさりと手を離したので、突然解放され床に尻餅をついてしまう。

「いたっ…!」

痛みに顔を歪めて見上げると、男が懐から何やら小さな箱を取り出して、もう片方の拳をかざしているところだった。

そしてツナは、男が指にはめている指輪から、青色の炎が出るのを見た。

「えっ…?」

目を見開くツナの目の前で、男はその指輪を小さな箱の穴にはめ込む。

その瞬間、箱が開いて何かがそこから飛び出した。羽をはばたかせて宙に浮かぶそれは、青色の炎をまとったフクロウ。

「え…な、に……?」

突然のことに呆然として、身体が動かないツナ。

フクロウはさらに天井近くまで飛び上がると、大きく羽を広げた。

次の瞬間、フクロウの青い炎から大量の水が現れて、一気にツナに降り掛かった。

「っ…!」

一瞬で全身ずぶ濡れになってしまったツナは、何が起こったのか分からない。

「っ、ぁ……?」

不意に、身体の力が抜けて、立ち上がろうとしていたツナはその場にへにゃりと座り込んでしまう。
力が入らず、上手く身体を動かすことができない。頭もぼんやりとして、気を抜けば眠ってしまいそうだ。

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