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□Unexpected
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ボンッ!という爆発音とともに、周りが一気に白煙に包まれた。

「っ、え……?」

身体に走った大きな衝撃と一瞬の浮遊感の後、煙が少しずつ晴れていって、だんだん辺りの様子が見えてくる。

そこは薄暗く、しんと静まり返った、どこかの部屋だった。周りには壊れた机や、ボロボロのソファーなどが置いてある。

そして、その場所にツナは見覚えがあった。

「うそ…何で……ここ、もしかして黒曜ランド……?」

そこは、以前ツナの身体を狙う骸達……黒曜中の人間と戦った場所だった。

「俺…どうしてこんな所に……?」

困惑を隠しきれない様子でツナは辺りを見渡す。


ヴァリアーとの激しい戦いからしばらく経って、ようやく全身に負った傷も癒えてきた。やっと本当に平和な日常が戻ってきたんだ、と思っていたのに。

なのに今日、たまたま外を歩いていると、どこからか飛んできた何かにぶつかって、気が付いたらここにいた。家の近くにいたはずなのに、どうしてこんな離れた場所にいるのだろうか。

「いったい、何が……」

呟いてみても、応えてくれる者など誰もいない。クローム達がいるかもしれないと思ったが、その気配はない。

(良く分からないけど…とにかく、ここから出よう……)

何だか不気味で、嫌な予感がする……と、ツナが出口に向かおうとする。

その時、部屋の外……通路の向こうから、微かに足音が聞こえてきた。

「く、クローム……?」

期待を込めて小さく呼んでみるが、まだ離れた場所にいる足音の主は誰だか分からない。
カツカツと規則正しく響く足音に、どんどん不安になっていく。

何となく、クロームでも、ツナの知っている他の誰かでもない、と超直感が告げている……ツナは、無意識に部屋の後方に下がってしまっていた。

やがて、どんどん大きくなる足音が、部屋のすぐ近くで止まった。

そして、ドアの無い入り口をくぐって現れたのは、ツナの全く知らない男だった。

全身を独特なデザインの真っ白な衣服で包み、赤紫色の髪の毛は斜めに切り揃えられている。
細く鋭い目にノンフレームの眼鏡を掛け、口元は怪しく歪められていた。

男がツナの姿を認めた瞬間、その相貌が怪しげに光る。

「……ほう、随分と愛らしい姿になったものだな、ボンゴレ十代目」
「だ、誰……?」

まるで値踏みをするように全身を眺められて、ツナは怯えたように身体を竦ませる。自分は見覚えがないのに、自分のことを知っている様な男の口振りに、さらに不安が募っていく。

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