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□Mushroom panic!
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獄寺は慌ててツナの側にしゃがみ込むと、その細い肩を抱く。
と、下を向いていたツナがのろのろと顔を上げた。
「ふぁ……ぁー、ごくれらくんらぁ……」
「っ…!」
その表情に、獄寺は思わず息を飲んだ。
ツナは、その柔らかい頬を上気させ、大きな瞳は涙で潤んで、とろんとした表情をしていた。
そんな状態での上目遣いだ。普段からツナに敬愛以上の想いを抱いている獄寺には目に毒だった。
「じ、じゅうだ…」
「ごくでらくん……」
「はっ!?」
切なそうに眉を寄せたツナの顔が、どんどん近付いてくる。
そして、
「ん、ちゅぅ…」
「っ!?ッ、っ!!?」
目の前にツナの顔がいっぱいに広がったかと思うと、唇に柔らかい何かが押しあてられた。それがツナの唇だと気付いた瞬間、獄寺は見事にフリーズしてしまう。
ツナは、唇ではむはむと食むようにキスを繰り返す。その柔い感触や口の間から漏れる熱い吐息がかかって、獄寺はかっちんこっちんに固まってしまった。
それはもう、いろんなところが。
「じゅ、じゅじゅじゅっ…なななんなぁっ…!?」
「はぁっ、おれ…へんなキノコ食べちゃったみたいで……」
「えっ?!」
やっと唇が離れて、茹でダコのように真っ赤になってしまった獄寺に、ツナは涙目で訴える。
「なんか、からだ…あつい……」
「っ!」
両腕で自分の身体を抱き締めるツナに、獄寺は目が離せない。
ツナは、どう見ても欲情していて。
先ほどツナが誤って口に含んでしまったキノコは、毒は無かったものの、どうやら催淫効果のあるものだったようで……ツナはさっきから身体が疼いて仕方なかった。
全身がどんどん熱くなっていく。頭はぼんやりとして、ふわふわと宙に浮くような感覚。
少し動いただけで、服の生地が肌に擦れただけで身体がぞくぞくとする。
「はぁ…も、あつぃ、よぉ…!」
この疼きが何なのか、性に疎いツナには全く分からなかった。どうすれば良いのかも、どうすれば楽になれるのかも。
けれど何とかこの熱を解放したくて、ツナは上の服をごそごそと脱ぎ始めた。
「ちょっ、ちょちょちょ十代目っ!?駄目ですってこんな所でぇぇっ!」
もたもたしつつ何とかトレーナーを脱ぎ捨てて、上はインナーシャツ一枚だけになる。次いでズボンに手を掛けようとするので、獄寺は慌てて止めに入った。
獄寺としては、そりゃもう脱いでくれるのはとても嬉しいし、その白く滑らかであろう肌を是非とも見たいのだが、今のツナは催淫効果でいつもよりエロさが何倍も増した上に、自分はさっきのキスで煽られている。