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□Hot dessert!
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「ツナ……」
「ぁっ……んっ、んぅっ…ん、むっ……!」

さらに、突っ伏していた顔を掬い上げられて、再び口付けられた。

(も…あたま…ふにゃふにゃ、するよぅ……)

溶けるように甘い、しかし激しい口付けに、頭の芯まで蕩けていく。その上、熱い湯に浸かっているせいで全身が火照り、余計に思考がふやけていく。

「っ、く……!」
「んっ…んぅぅぅぅっ…!」

自身から熱が弾ける感覚と一緒に、ツナの意識も白く染まっていった。


***


「わりぃツナ!」
「うーん…ううーん……」

貸し切った宿の、一番広い部屋。畳の香りに包まれ、品の良い掛け軸や置物などが置かれたこれまた趣深い部屋で、ツナは敷かれた布団にぐったりと寝そべっていた。
その頬は赤く、全身もほんのりピンク色に染まっていて、ふぅふぅと熱い吐息を吐いている。

あの後、ツナは完全に逆上せてしまって、ディーノが慌てて部屋まで運んだのだ。あれだけ熱い湯の中で戯れ、絶頂まで迎えてしまったのだから当然なのだが。

ディーノは罰が悪そうに、甲斐甲斐しくツナの世話を焼いていた。

「ほら、スポーツ飲料買ってきたから飲めよ」
「ん……」

軽く抱き起こされて、コップに注いだ飲料水を飲ませてもらう。冷たいそれが喉を滑り降りて、全身まで染み渡っていくようだった。

「うまいか?」
「はぃ……でぃーのさん、もっと……」
「………」

決してそういう意味で言ったわけではないのだが、頬を上気させとろんとした表情で言われては要らぬことを考えてしまう。体調が悪いのだから手は出せないと己に言い聞かせつつも、ディーノは飲料水を口に含むと、ツナの薄ら開いた唇に自分のそれを重ねた。

「ん、んぅ…ん、く……」

口移しで飲まされて、ツナの喉が小さく上下する。ボーッとしていて良く分かっていないのか、身体を上手く動かせないからか、ツナはされるがままになっていた。
ちゅ、と軽く音を立ててそれが離れていけば、ぼんやりとディーノを見上げる。

「ディーノさん…ゆかたすがたも、かっこいい……」
「え?ああ……」

イタリア人である彼だが、やはり男前は何を着ても似合うのか、そつなく着こなす姿はとても格好良かった。何というか、少し開いた胸元がフェロモンを垂れ流し、一層男前に見える。

「俺は、ツナの方が似合うと思うけど」

一方のディーノは、こちらも初めてみるツナの浴衣姿に、先ほどから目が離せなくなっていた。

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