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□At an atelier
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「はぁっ、ぁっ…ツナヨシ……!」
「ひぁぁぁっ…ぁーっ…!」
(いつまで…こんな、こと……)
最奥に熱いモノを吐き出されるのを感じながら、ツナの意識は霞んでいった。
***
「ん……」
目を覚ますと、部屋に男の姿はなかった。男は一日に何回か、買い物や仕事の関係でいなくなる。
それに少し安堵して、ツナは気怠げな身体を起こした。
一体いつまでここにいなければならないのか。夏休みが終わる頃には、ちゃんと日本へ……家へ帰れるのだろうか。
まさか、一生このままなのでは……ぼんやりとした頭でぐるぐると考え、不安に駆られる。
それに、何よりもツナは男が怖くて仕方なかった。自分を見つめる、あのどこか狂ったような瞳が。
男は普段この部屋で絵を描き、ツナはベッドから動くことはできない。食事もベッドの上。トイレや入浴なども、男に抱き上げられて移動する。
そして男は食事や入浴、着替えなど、甲斐甲斐しくツナの世話をした。優しげな手つきで、壊れモノを扱うかのように。
だがツナを抱く時は、壊れるのではないかというくらい激しく、執拗に責め立てる。
変わらず笑いながら、仄暗くも熱っぽい瞳で。
「はぁ……」
早くここから出なければ、自分もおかしくなってしまいそうだった。
「………?」
その時、ふと違和感を感じて、ツナは自分の身体を見下ろした。上はシャツ一枚、下も辛うじて下着を付けることを許されているのだが、
「え……?」
良く見ると、ツナは手と足に何も付けられていなかった。ツナをベッドに繋ぎ止めていた手枷と足枷が外れて、床に転がっている。
いつもトイレや入浴する時しか外されず、セックスで外した時も、終わった後は必ず付けられるのに。
まさか忘れたのだろうか……ツナは、心臓がどくんと跳ね上がるのが分かった。
(ここから、出られる……?)
どくどくと、心拍数が上がっていく。
ここから逃げ出せるチャンスかもしれない。これを逃せば、一生このままかもしれない……ツナははやる気持ちを抑えて、ベッドから恐る恐る降りた。怠い身体も、下半身が鈍く痛むのも、この時は何も気にならなかった。
部屋に一つしかない入り口まで向かって、そっとドアを開ける。初めて見る、部屋の外の風景。
外は通路になっていて、その向こうに玄関らしきものが見えた。
「っ……!」
あそこを出れば助かる。この異常な空間から、抜け出すことができる。