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□Little wolf!
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その後ろ姿を、雲雀がじっと見つめていたのも知らないで。
***
「っ、ぁ……!」
教室へは行かずに、ツナは人気のないトイレの個室に駆け込んだ。すぐ便座に座って自身を取り出す。
それはすでに勃ち上がり、びくびくと震えていた。
(俺、最低だっ…こんな……!)
学校の先輩を見て、いやらしい気持ちになってしまうなんて。
だが一度扱き始めると、手を止められない。
頭の中に浮かぶのは、過去で出会ったアラウディの姿。自身を、まるで彼にされていると想像して抜いてしまう。
そしてその姿は、少しずつ先ほどの雲雀と重なっていった。
『沢田綱吉』
「ぁっ…だめ、ひばっ…ひばり、さん……!」
耳元で雲雀の囁く声が聞こえる気がする。想像の中のアラウディは、いつしか完全に雲雀とすり変わっていて……ツナは、本当に雲雀に愛撫されているかのような気分になっていた。
「ひっ…んぅぅぅぅっ……!」
呆気なく、ツナは身体を強ばらせ絶頂を迎えてしまう。
「っ、どうし…よう……」
だが、やはり身体が収まることはなく。ずくずくと奥深くで渦巻いていて。
「もう…がまんできない……」
ツナの頭からは、雲雀の姿や声がいつまで経っても消えることがなかった。
***
放課後。
応接室で書類に目を通していた雲雀は、ドアが控えめにノックされる音で顔を上げた。
「……誰」
「あ、あの…沢田です。2-Aの沢田綱吉……」
「………」
ドアの向こうから聞こえてくるのは、弱々しい少年の声。雲雀は書類を机に置くと立ち上がった。
「入りなよ」
「し、失礼します……」
そろそろとドアを開けて顔を覗かせたのは、今朝校門で会った生徒の一人……沢田綱吉だ。
恐る恐る応接室に入ってきた彼に、雲雀は目の前まで近付く。
「僕に何か用?」
「あ、の……」
いつもと変わらない無表情で見下ろせば、ツナは少し怯えたように見上げてくる。
そして、何故かその頬はほんのり赤らんでいて。
弱々しいかと思われた瞳は真っ直ぐに雲雀を捕らえ、どこか熱っぽく潤んでいて。
「一体何…」
「ごめんなさいっ!雲雀さんっ!」
「!?」
次の瞬間、雲雀は珍しくも本気で驚愕することになった。
***
放課後。クラスメイト二人に補習があると嘘を吐き、ツナは教室から飛び出した。はやる心臓を抑えて、真っ直ぐに応接室へと向かう。
そして現在。
「……ちょっと、どういうこと?」
「っ、はぁ……!」