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□Two rulers
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「ただいま、ツナヨシ」
「お、おかえり…なさい」
夕刻。夕日で赤く染まった巨大な屋敷の、これまた広く豪奢な部屋に……留守にしていた部屋の主が帰ってきた。
迎えにきたツナが重厚な扉を開けると、いきなりすっぽりと抱き締められて、馴染んだ匂いに包まれる。
「ツナヨシ、会いたかった……」
「んっ……!」
抱き締められたままするりと臀部を撫でられ、身体がぴくんと反応してしまう。
それにくすりと笑って、美しくも神秘的な雰囲気をもつ男……ジョットは、ツナの身体を軽々と横抱きにした。そして、ゆったりとした足取りでソファーへと向かう。
ふかふかのソファーに腰を下ろすと、ジョットは再びツナを抱き締めた。
「今日はツナヨシと一緒に過ごせなくて寂しかったぞ」
「んっ…ん……!」
「寂しすぎて、気がどうにかなりそうだった」
そう言いながら、ジョットはツナの顔中にキスを降らせていく。唇に到達すれば、舌が忍び込んで優しく口内を掻き混ぜられた。
熱烈なキスを受けながら、ツナはジョットの様子をこっそりと伺う。内心、心臓をドキドキとさせて。
(ば、ばれてない…よね……?)
実はツナが一人で留守番をしている間、初代雲の守護者であるアラウディが部屋にやってきたのだが……。
(言えない…絶対に言えない……!)
ジョットの言い付けを破って他の人間に会っただけではなく、あんなことやこんなことをされてしまっただなんて。ばれたら大変なことになるのに、アラウディとの行為が気持ち良すぎて、ついつい流されてしまっただなんて……考えただけでも、恐怖で心臓が縮み上がってしまう。
幸い、アラウディはこちらの事情を理解してくれたのか、ツナの身体を綺麗に洗ったり、ベッドも元の綺麗な状態に戻してくれた。
ただ、相手は全てを見透かす超直感の持ち主だ。ばれないかどうか、ツナはずっとヒヤヒヤとしっ放しで……。
「俺がいない間、何をして過ごしたんだ?」
「っ、え…と……」
そう尋ねられて、一瞬ぎくりとしてしまう。ツナは慌てて、冷静に答えようとする。
「あの…外の景色を眺めたり、お昼寝したり…してた」
「そうか……良い子にしていたようだな」
ぽつぽつ話すツナの言葉を聞いて、ジョットはにこりと笑う。
(ジョット、何か凄く機嫌が良い……?)
機嫌が良すぎて何だか怖い気もするが、この様子なら大丈夫かもしれない……と、ツナはホッと胸を撫で下ろした。