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□Mischief
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後ろから抱き込むように腕を回されて、分からない箇所を教えてもらう。背中に引き締まった胸板が触れて、端正な顔が自分のすぐ隣にきて、心臓が跳ね上がった。
(わぁっ…ち、ちかいよぉ……!)
男は昔からツナに対してスキンシップが多かったのだが……前までは嬉しかったそれも、今では動揺してしまう。肌の温もりに、爽やかな香りに、頬に掛かる吐息に体温がどんどん上がっていく。
勉強の内容も、もはや頭の中に全く入ってこなかった。
「ツナ?顔真っ赤だぞ、やっぱり具合悪いのか?」
「ぇっ…ち、ちがうよっ…く、くすぐったいだけ……!」
顔を覗き込まれて、慌ててそんな嘘を吐く。だが間近で見つめられ、ツナはぽーっとなってしまった。
(お兄ちゃん…いつ見てもかっこいいなぁ……)
良く女の子に間違われる自分とは正反対だ。
すると、男は少し意地悪く笑って、
「そっか、ツナってくすぐったがりだったよな」
ツナの後ろから伸ばしていた腕で、その細い身体を抱き込んだ。小さなツナの身体は、すっぽりと包まれてしまう。
「わっ!?お兄ちゃ……ひゃっ…!」
脇やお腹など、敏感な部分をさわさわと撫でられて、びくっと身体が跳ね上がった。
「ゃっ、あはっ…くすぐった……!」
「昔っから首とか弱いし…ほら……」
「ひぅっ…!」
首筋に息を吹き掛けられて、ぞくぞくと背筋が震える。本当にくすぐったくて、逃げ出そうと身体を捩っても、自分の何回りも大きな身体に抱き込まれては身動きが取れない。
と、上半身をくすぐっていた指が、ツナの小さな胸の突起を掠めた。
「ひゃぁぅっ!」
その瞬間、何だか良く分からない痺れのようなものが走って、ツナは悲鳴を上げて飛び上がる。
「ははっ、女の子みたいな声出して……ここ、そんなにくすぐったい?」
「ひゃっ、ぁっ…ゃ、だめぇ……!」
男が面白そうに、そこばかり執拗に弄り始めて、ツナはびく、びくっと身体を跳ねさせた。長い指がくすぐるように軽く触れるだけではなく、強く押し潰したり、摘んで捏ねられたりする。その度に、くすぐったいだけではない、甘い痺れのようなものが走って、ツナは自分の身体に戸惑った。
「やだっ…やめてっ…おに、ちゃ……!」
「うん?」
「ゃぁっ…なんか、へん…おっぱい、へんだよぉ……!」
恥ずかしいのと、どうしたら良いのか分からなくなって、ツナはとうとう大きな瞳から涙を零して泣き出してしまう。