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□In the abyss
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小学校までは、確かに普通だったのに。

でも、中学校に上がってからは……。


「遅ぇぞ、ダメツナ」
「待ちくたびれたっての」

放課後、静かになった校舎の、隅っこにある空き教室。
ドアをそろりと開けると、中にはすでに六、七人の男子生徒が待っていて、ツナは無意識に歩みを止めた。だが、すぐ諦めたように内心で息を吐くと、男達の輪の中心に入っていく。

「そんな暗い顔すんなって」
「今日も気持ち良くしてやるからさぁ」
「っ、ぁ……!」

近付いてきた一人の生徒にいきなり腰をするりと撫でられて、ツナは思わず小さく声を上げてしまう。そんなツナを見て、周りの男達はにやにやと意地の悪い笑みを浮かべた。

「何だ、やっぱり期待してんじゃん」
「ち、ちが……」
「ほら、さっさと脱げよ」
「っ……」

促すように肩を叩かれ、ツナは一瞬躊躇った後、やはり諦めたようにのろのろと動き出した。
ネクタイをするりと解いて、カッターシャツのボタンを一つずつ外していく。

いくつもの視線が自分の身体に集まるのを感じて、かぁぁ、と体温が上がるのが分かった。

ボタンを全て外し終えると、次いでベルトに手を掛ける。スラックスの前を寛げて、それをぱさりと足元へ落とした。

一瞬で露になる、ツナの白く細い両足。シャツからすらりと伸びるそれは、女の子のように滑らかだった。

「っ、くそ……!」
「んんっ……!」

と、その姿に煽られたのか、一人の男子生徒が我慢できないといった様子で、ツナの身体を床へ乱暴に押し倒した。荒い息遣いで、そのふっくらとした唇に口付けをする。

「んっ、んんっ…んぅっ……!」

「がっつきすぎだろっ」と周りが囃し立てる中、荒々しく口内を掻き回される。さらに、抵抗する手足を他の生徒に押さえ付けられて、全身をまさぐられた。


中学校に入ってから、全てがおかしくなった。

学校生活にも少しずつ慣れてきた頃、ツナはクラスメイトの何人かに、放課後に一人で呼び出されたのだ。小学校の時と同じように、何をしても駄目だから虐められる、と思っていた。

だが、呼び出された人気のない教室にいた生徒達は、前みたいにツナを叩いたり、つねったりしてこなかった。変わりに服を脱がされて、身体中をベタベタと触り始めたのだ。
気持ち悪くて抵抗したが、相手は複数いる上に、すでに成長期が始まり体格の大きな生徒もいて、小柄なツナは簡単に押さえ込まれてしまった。

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