Main
□Queen and princess
1ページ/7ページ
「ぐぴゃっ…!が、が・ま・ん……ぅぁぁああんっ!」
「あわわ!いけませんランボさん!それはまだ修理途中でして…!」
「えっ、ちょっと待っ……!」
ボフンッ!
始まりは、いつもと同じ。
リボーンにちょっかいを掛けようとしたランボが、見事に返り討ちに遭って。
十年バズーカで、未来の自分と入れ替わろうとして。
けど、いつもと違ったのは、
その十年バズーカが故障していて、ジャンニーニに直してもらっている最中だったこと。
そして、自分に向けて撃つはずが、何故か銃口は同じ部屋にいたツナに向いていたということ。
「うわっ!?」
大きな弾丸がこちらに飛んできて、ツナは咄嗟に目を瞑った。凄まじい衝撃の後、身体がまっ逆さまに落ちる感覚に襲われる。
「わぁぁぁぁっ!……ぶへっ!」
どこまで落ちるんだと思われたそれは唐突に終わって、ツナは顔からべしゃりと地面に突っ込んでしまった。
「っっっ……!」
地面には草が生えていて、さほどダメージはなかったものの、痛いものは痛い。
ツナが呻きながら目を開くと、
「ど、どこだろ…ここ……?」
そこは辺りに高い木々が生い茂る、どこかの森の中だった。
バズーカは故障をしていたので、ここが十年後の世界かどうかは分からない。
(ていうか森って…前にもこんなことあったような……)
未来に飛ばされ大変な目に遭ったことを思い出して、ツナは一気に真っ青になった。
徒歩に暮れていたその時、
「――誰だ?」
「ひっ…!」
突然背後から凛とした、若い男の声が聞こえて、ツナはびくりと肩を跳ねさせた。涼しげで綺麗な、だが芯のある声音。
ツナが慌てて振り返ると、
「っ……!」
そこにいた人物に、思わず息を飲んだ。
それは、二十代くらいの若くて綺麗な男だった。
男に綺麗という表現は変かもしれないが、その男には綺麗という言葉が一番似合う気がする。
陽の光に煌めく金色の髪に、同じ色の透き通るような瞳。中性的で酷く整った顔立ちをしているが、その瞳に見つめられると、何もかもを見透かされているような気持ちになる。
そんな、どこか神秘的な雰囲気を持つ男だった。
そして、ツナはその人物に見覚えがあって。
「ま、まさか……ぼ、ぼぼぼボンゴレプリーモ…!?」
「ん?何だお前…俺のことを知っているのか」
そう、それはツナの先祖でありボンゴレの初代ボスでもある、ボンゴレプリーモだったのだ。