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□アニマル飼育員、ダンジョンへ行く
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「はぁ……何で俺たちがこんな所に……」
「ガゥ……」

数ある魔法学校の中でも、特に名門と名高いマジック☆ボンゴレ学院。そこに設けられている『アニマルマスター科』という珍しい学科に勤める……ごく普通の(?)アニマル飼育員ツナと、彼の相棒である匣アニマルのナッツ。

彼らは今、本来いるべき学院のアニマル飼育施設ではなく、そこから少し……いや、まぁまぁ離れた深い森の中にいた。目の前には、薄暗い地下へと続く道があり、そこから先は『ダンジョン』が広がっている。

『ダンジョン』とは、一言で表すと『人間の居住が不可能な、魔法生物の生息する区域』だ。世界中のあらゆる場所に存在し、日本でも全国各地で確認されている。

そんな明らかに危険な場所に、何故ツナがいるかというと、

(リボーンのやつ、無茶ぶりにもほどがあるだろ……!)

元担任であり、今は同僚(というにはほど遠い)関係のリボーン先生のせいだったりする。

『――――おい、ツナ。お前、次の休みは週明けだったな?』
『……何で知ってるんだよ。まぁ、そうだけど』
『その日、ちょっとダンジョン開拓へ行ってこい』
『……は?』

数日前、せっせと匣アニマルの世話をしていると、ふらりと現れたリボーンに突然そんなことを言われた。ちょっとそこのコンビニへジュース買いに行ってこい、みたいなノリで。

先ほどもあったように、ダンジョンは人が簡単に入れるような場所ではない。そんな所に行くだけではなく、開拓してこいとは何を考えているのだろうか。

確かに『ダンジョン開拓』は、魔法使いの立派な仕事の一つだ。未知の領域を調査し、野生の匣アニマルなど様々な危険に立ち向かい……最終的にはその場を整備、または人が利用できるようになるまで開拓する。

それは魔法や匣アニマルを操る人間にしかできず、難易度も高いため……一般人や国から強く求められている仕事でもあるのだ。

だが、

『えーっと……何で、俺が?』
『人手不足でな。あと、そのダンジョン攻略には大空の魔力が必要なんだ』
『えー……』

リボーンによると、ボンゴレ学院から少し……いや、まぁまぁ離れたとある森でダンジョンが確認され、現在開拓中だということ。途中まで順調に進んでいたが、大空属性の魔力を使わなければ通れないエリアが見つかったらしい。

大空の魔力を持つ人間や匣アニマルは貴重で、日本にも限られた人数しかいない。今回はボンゴレ学院に魔法使い派遣の依頼があり、すぐに動けそうなツナに白羽の矢が立てられたのだ。

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