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□悪霊退散大作戦!
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おかしい。絶対に何かがおかしい。

「ぁ、ぁぁっ……ぁっ、ん……!」
「っ、は……十代目、すげぇ、エロい……」

(な、何で……)

ツナは、自分の身に何が起こっているのか、理解できないでいた。

「ホント、すげぇ……どこ触っても敏感だし」
「ひ、ぁっ……!や、やまも、と……や、めっ……!」

いや、何をされているのかは分かる。それまでの記憶もちゃんとあるし、こうなるに至った経緯もはっきりしている。

だが、

「安心してください、十代目……俺が必ず、悪霊を消してみせますから!」
「そうそう、もっとエロいことして、幽霊なんか追っ払っちまおうぜ〜」
「っ、っっ……!」

(だからって……何で、友達とエッチなことしてるんだよぉぉぉぉっ!?)

強すぎる快楽の波に翻弄されながらも……ツナは、何とかそれだけを心の中で叫んだのだった。


***


(……おかしい……)

じりじりとした太陽が容赦なく照り付け、蒸し暑い毎日が続く夏休みのある日。

ここ数日、ツナは自分の身や周囲で起こっている出来事に、困惑を隠せないでいた。

(絶対に、何か変だ……毎日……やっぱり、あの時の……?)

心当たりはある。いや、むしろ、それしか考えられなかった。

それは、一週間ほど前の……夏祭りの夜のことだ。

その日も、非常に蒸し暑い夜だった。ツナは、居候のランボとイーピン、フゥ太に強請られて、近所の夏祭りを訪れていた。

場所は、小学校近くの公園に併設された、小さな公共の運動場。普段はスポーツクラブが野球やサッカーをしたり、老人グループがゲートボールをしたりしているそこは、毎年八月の一周目の土日に夏祭りが開催される。

今年も、多くの屋台が運動場をぐるりと囲むように並び、その中心には櫓が組まれていた。訪れた人々は屋台巡りを楽しんだり、盆踊りをしながら櫓周りをぐるぐる回ったりしている。

近所だが、ツナはこの場所で行われる夏祭りは数えるほどしか来たことがなかった。ここ数年、並盛神社の方の祭りに行って、友人達と花火を楽しむのが恒例になっていたからだ。

だが、家のチビ達が行きたいと言い出すと「ゲームばっかりしてないで、お兄ちゃんらしく連れてってあげなさい」と奈々にお守りを任されてしまい、渋々行く羽目になったのである。

そして案の定、自由に動き回るチビ達とはぐれてしまい、必死で探すことになった。

多くの人間が引っ切り無しに行き来する運動場を何度も見て回って、すぐ隣りにある公園も隅々まで探したのに見つからなかった。いつものように追いかけっこをして、夏祭り会場の外へ飛び出した、ということも考えられるが……恐らく、どこか近場で遊んでいるはずだ。

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