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□守護霊なんて信じない!
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(どっちでも一緒だー!)
自分の行いを棚に上げて、真面目な顔をして言うジョットに、ツナは心の中で盛大に突っ込んだのだった。
守護霊(と本人が言っている)のジョットがツナの前に現れたのは、彼が中学生になってからだ。生まれた時から側にいた(らしい)この男は、何故かつい最近姿を見せるようになった。
初めてジョットに会った時、もちろんツナは驚いたし全く信じられなかった。まさか漫画でしか出てこないような非現実的な存在が、本当にこの世にいるなんて誰が信じられるだろうか。
だがそれは、すぐに現実であると思い知らされた。何故なら、輝くような金髪にスーツ、豪奢なマントという、明らかに日本人ではない彼の姿はぼんやりと透けていて、しかもフワフワと宙を浮いていたから。
しかも、触れようとしても実体がないためすり抜けてしまう。加えて、ツナにしか姿が見えない、声を聞くことができないとなれば……信じざるを得なかった。
いや、ぶっちゃけ、今ではそんなこと最早どうでもよかった。諦めたというか、慣れてしまったというか。
自分には守護霊がいる。それはもう認めるしかない。
だが、問題は……
『早く着替えろ。ママンはとっくに朝食を用意している』
「だったら、あんまり見ないで……うひゃっ!?んな、なにっ……!」
『手伝ってやろうと思ってな』
「いいいいらなっ……ひぃぃ!」
近くで着替えの様子をじっと見てくるジョットに居心地の悪さを感じていたら、いきなりパジャマを剥ぎ取られた。そして、どさくさに紛れて胸やら腰やら、先ほどのように触りまくられてしまう。
『相変わらず細い身体だ。肌触りは良いが』
「やめっ……くすぐった……!」
ただくすぐったいだけではない、ゾクゾクと別の何かが押し寄せてきて、ツナは心底焦った。ジョットの触り方が妙にいやらしいのと、先ほどまで変に刺激を与えられていたせいで、身体が敏感になってしまった気がする。
そう、一番の問題は、ツナを守護するはずのジョットが、何故かツナにセクハラをしまくっていることだろう。
朝は、だいたい先ほどのような感じで起こされる。そして着替えようとしたら、手伝うとか何とか言ってまた触られるのだ。
というのも、先ほど触れようとしてもすり抜けると言ったが(霊なのだから当たり前なのだが)……何故かジョットは、その気(?)になれば人や物に触れることができた。その時は、触れられているこちらも感触をはっきりと感じることができる。