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□初めての×××!?
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「ななな、なんてこと言うんですか!」
「何言ってるんだ。自社製品を知るのに、一番良い方法だろ?」
「そうそう。自分が使ったことのない商品を、本当にしっかりアピールできる?」
「うぅ、ぅぅぅ……!」

ド正論すぎて言い返せそうにない。そもそも、先輩メンバーにツナが言い返せる訳もなく。だが、言われているのはどう考えてもセクハラだった。

幸いにも(?)、同じ部署にいる上司や先輩はみな悪い人間ではない。ダメダメなツナをキツく叱るでもなく、陰湿に苛める訳でもなく……根気よく教えたり一緒に残業をしてくれたりと、かなり優しい同僚に恵まれた。

「何なら、私が直々に教えてあげよーか。使い方」
「いっ、いいです!あ、俺っ、ちょっとトイレ!」

ただ、このように毎日毎日からかわれたり、セクハラされたりするのが難点なのだが。アダルトグッズ会社に入ってしまった憂鬱と、一向に上手くできない仕事、そして周りからのセクハラに……入社一ヶ月と少しにして、ツナはすでに悲鳴を上げているのだった。

(ホント、先輩達には勘弁してほしいよなー)

セクハラがヒートアップしそうになったら、トイレなど適当な理由をつけてしばらく部屋を離れるのがいつもの習慣だ(それも見抜かれているとは思うが)。通路の窓から空を見上げて、次いでガラスに映った疲れきった自分の顔を見て、ツナは盛大なため息を吐いた。

「………………」

そんなツナを、少し離れた所から……静かに眺める人物がいた。しかし、その視線に彼が気付くことはない。

そして、羞恥と憂鬱と苦痛が続いた……とある日のことだった。


***


「えー……研修?」

とある日の勤務中、不意に送られてきた社内メールに、ツナは首を傾げた。そこには、今日の夕方、新入社員向けの研修があるので、時間厳守で集まるように指示が書かれている。

「って、何の研修?」

新人向けの研修は、本格的に勤務が始まってから何度もあったが、一通りのことはこの一ヶ月で終えたはずだ。それからも、勉強会と称して若手で集まることはあったが……こんな風に、当日に突然言われたことはない。

しかも、肝心の研修内容が書かれていなかった。時間と、集合場所だけだ。
そして、その場所というのが……

(地下フロアって……あそこ、倉庫以外に何かあったっけ?)

ツナも、数えるほどしか行ったことがない。地下は地上フロアとは違い、細長い通路に多数の部屋がある構造になっている。

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