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□悪魔が二人に増えまして
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何度も何度も、リボーンを求めてしまう。嫌で仕方がないはずのに。

というか、一度対峙すると…力が強くて逃げられないというのもあるのだが…間近で男の匂いを嗅げば、自身をすすれば……芳醇で濃厚なそれに、思考は停止し、ただ貪りたいという衝動しかなくなってしまうのだ。

それこそ、リボーンの姿を見た瞬間から……呪いにかかってしまったかのように。

だから、困っているのだ。他の獲物を捕らえても満たされない。何度も教会へ行ってしまうから、あの街から出て離れることもできない。

現に、今この瞬間も……森の中をフラフラと飛んで向かっているのは、あの場所なのだから。

(くっそぅ…どうにかして、魔術を解いてアイツを倒さなきゃ……)

ツナは、これがリボーンの魔術か呪いなのだと信じて疑わなかった。何度も教会を訪れてしまうのもそのせいで、これはリボーンを倒すためなのだと言い聞かせて……結局は好き勝手にされてしまうのだが。

ただ、

(なんか……前よりも、強くなってきたような気がするし)

変化したのは、疼きやすくなった身体だけではなかった。
些細なことなのだが、羽が僅かに、本当に僅かだが大きくなって…前よりも長く、速く飛べるようになったのだ。身長、はほぼ変わっていないがそれでも数ミリは伸びた(ような気がする)。

魔術だって、以前よりも強くなったように感じるし、成功率も高くなったし……何だか、すごく調子が良い。

これは、もしかしなくても…リボーンの生気を得たからではないだろうか。自分と愛称の良い、極上の力を手に入れたから……こんなにも良い影響を及ぼしているのかもしれない。

もし、このまま力を蓄えていけば…立派に成熟した身体と強大な力を手に入れることができるのでは……と、ツナは先ほどとは変わって前向きに思っていた。

(ふ、残念だったなリボーン。俺は、むしろお前を利用してるだけなんだからな!)

力を得るだけ得て、いつか絶対に倒してやる、と……ツナは燃えていた。少しだけ大きくなった羽が、パタパタと素早く動く。

だから、今あの教会に向かっているのも、決して自分の欲求を満たすためだけではない。さっさと生気を頂いて、エネルギーを補給しなければ、と……木々の向こうに僅かに見えてきた教会の屋根に、ツナは興奮なのか何なのか良く分からないものを抱きながら先を急いだ。

だが、

「……あ、れ?」

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