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□Real intention
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(うぅ…誰にも会いませんように……!)

約束の時間の、少し前。ツナは、スタッフ専用の扉から店内……個室が並ぶフロアの通路へと、こっそりと姿を現した。
そして、辺りに誰もいないことを確認すると、そそくさと奥へ進む。

というのも、

(今回も、何て悪趣味な……)

ツナは現在、人には到底見せられないようなとんでもない格好をしていたからだ。

簡単に言えば、どこかの民族衣装のようだ服なのだが。ただし、やたら露出が多くてスケスケでキラキラの、女用の衣服だったりする。……最後が特に問題かもしれない。

まず胸元と下の大事な部分は、極めて面積の小さい布で申し訳程度に覆われているだけで……胸や前の形、尻のラインがくっきりと浮き上がってしまっている。しかも、それ以外は丸見えだ。

つまり、お腹も背中も丸出しで尻もほぼ露出した状態で。首から腰、ベルト(腰紐のようなもの)を通して足元までさらりとした布をローブのように羽織っているが、そもそもその布自体がスケスケで全く隠れていない。

辛うじて腕と、太股から足元まではシルクの布で覆われているが……そこよりも、もっと際どい部分を隠す衣服であってほしかった。

ただし、それらは素材や装飾全てにおいて最高級品で、他にも髪飾りやネックレス、全身を飾るアクセサリー類も……全て高価な代物だと分かるものだった。

ただし、ツナにとってはそんなものどうでも良い訳で。

(無駄なことにお金を使いやがって!)

いや、確かに美しくて素晴らしい衣装だし、若く綺麗な女性が身に付ければさぞや見栄えするだろう。ただ、今それを着ている自分はれっきとした男であって、似合う似合わないの前にそもそも身に付けること自体おかしいのだ、とツナは思う。

だが悲しいことに、とっくに成人しているにも関わらず小柄で華奢で童顔なツナは……そのキラキラひらひらな衣装でも何の違和感もなく、さらに言えばとても良く似合っていた。それを言う人間が周りに誰もいないだけで、本人は気付いていないようだが。

そもそも、この衣装を贈った人物が……ツナに似合うであろうと用意したものだろうし。

(今日は、どんなことをさせられるんだか……)

このクラブでしがない従業員であるツナを指名して、こんな衣装を送り付けて接待させる客は決まっている。確かどこかの大富豪で、悪趣味な変態親父で……ただいつも巨額の金を落としていくため、店にとっては欠かせないお得意様だった。

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