Main4

□A round square
3ページ/15ページ



どんどん息が上がって、酷く乱れていく。狭い車内で、自分の荒い呼吸が聞こえるのではないかと、こんな姿を見られたらどうしようと思うと怖くて仕方がない。

気を抜けば本当に恥ずかしい声を上げてしまうので、我慢するのに必死で抵抗もろくにできないのだ。

(く、そ……!)

好き勝手に嬲られていることも、感じてしまうことも悔しくて……せめてもの反抗に、窓越しに自分に密着する男の顔を睨み付けた。

ツナに痴漢をするのは、いつも同じ男だ。毎日同じ時間の列車に、同じ車両の同じ位置に立っている。並盛よりも前の駅から乗っていて、ツナが降りる学校の駅よりも先に降りていく。

人間、無意識に同じ場所を選んでしまうもので、毎日同じ列車に乗っていれば、いつもいる人間は何となく覚えてしまう。今、真後ろにいる男もそうで、いつもツナが乗り込んだすぐ近くにいるのだ。

それが分かっているのなら、乗る車両を変えたり、別の時間の電車に乗れば良いのだろうが…いかんせん、そこがツナの悪いところで。ただでさえ毎日遅刻ギリギリの電車にしか乗れず、それも出発直前に駅に到着してしまうため……階段を降りてすぐの所にある、この車両にしか乗れないのだ。

(ホント、俺のバカ……!)

痴漢に遭ってるというのに、自分を守るために一本早い電車にさえ乗れないとは……自分の不甲斐なさに、涙が出そうになった。

だが、一番悪いのはやはりこの男なのだ。窓越しに睨んだ男に、さらに怒りが募っていく。

しかし、それがいけなかったらしい。

「っ……!」

キツく睨み付けると、その男と目が合って……その瞬間、相手が微かに笑った。馬鹿にしたような、嘲るかのような笑みだ。

そして次の瞬間、

「っ、ひ……!」

胸を弄られたまま、それまでずっと臀部を撫で回していたもう片方の手が……スラックスのベルトを外し、中へと入り込んできた。もちろん、下着の中へと。

その奥にある自身に触れられた瞬間、ツナの身体が大きく跳ねた。

ツナのそこは、すでに勃ち上がり蜜を溢していたのだ。胸に与えられた刺激だけで。男が握り込み擦り上げれば、下着の中でぐちゅぐちゅと恥ずかしい音がするほど。

その音が周りに聞こえるのではないかと……ツナは恐怖に震え上がった。そして、そこから生まれる耐え難い快感にも。

「ぁ…っ、ぁ……!」

滲んだ先走りを、全体に絡めるように自身を扱かれる。さらに亀頭を指の腹で撫で回されれば、もうツナは男を睨むことなどできなかった。

次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ