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□Operations impossible
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そして、そのせいで……さらにとんでもない目に遭うことになろうとは。





―――――そんなこんなで、本日その作戦(?)が密やかに実行されようとしていた。

その記念すべき、哀れなターゲット第一号が……

「―――――お疲れ様です、十代目」

ツナの右腕であるこの男……獄寺隼人。

最上階の奥にあるツナの自室。入るとすぐにネクタイを緩めたりジャケットを脱がせたりと、甲斐甲斐しく世話をしてくれる右腕を眺めながら……ツナは内心ほくそ笑む。

ツナを誰よりも尊敬(崇拝?)し、仕事からプライベートまで隙なくサポートするという、右腕としては完璧なのがこの獄寺という男だ。

だが、

「本日の予定はこれで終了です。ここのところ働き通しでしたし、ゆっくり休んで下さい」

この笑顔に騙されてはいけない。

普段は忠犬よろしくツナの命令には絶対服従だが、ベッドの中では……いつもの忠誠心はどこへやら、本能を剥き出しにしたケダモノのように襲い掛かってくるのだ。本人は謝りながら申し訳なさそうにしながらも、攻めは全く容赦なく言葉と行動が全く一致していない。

これまで彼に、一体どれだけ啼かされたことか。

(覚悟しなよ、獄寺君……)

獄寺の言う通り、ここ数週間ほど仕事が忙しくて、ろくに休めていなかった。今日は昼間に同盟ファミリーとの会談があっただけで、午後からは久しぶりのオフなのだ。
ちなみに、明日も一日休みを貰っている。

つまり……ヤるなら今しかない。

「んー…獄寺君は?これからの予定」
「俺ですか?特には……お出かけでしたら、お供しますよ」

その様子は、まさに“何でもご命令下さいご主人様”と言っているようで。

イケる!と、ツナは妙な確信を得た。何がイケるのか、全く分からないが。

「……お出かけも良いけど、今日は部屋でゆっくりしようかな。獄寺君も、一緒にどう?」
「えっ…い、良いんですか!?」

それを聞いた獄寺は、分かりやすいくらい表情を輝かせた。恐らく、守護者の中で自分が選ばれたのが相当嬉しかったのだろうが……守護者だったら誰でも良かった、とかたまたま近くにいたから、とは可哀想だから言えない。

「では、すぐにお茶を用意をします―――」
「待って」

すかさず部屋の奥にある簡易キッチンへ向かおうとする、気配りも完璧な右腕は露にも思っていないだろう。まさか、今から自分が……主人に、貞操を奪われようとしているなんて。

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