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□Justification
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それを感じ取ったのか、少年は緊張したように身体を強張らせた。

「また、どこか具合が悪いのかい?」
「………」

まだ十代半ばくらいの、小柄な少年だ。それも、幼い顔立ちや細い身体が、彼をさらに幼く見せている。

男の問いに、少年は俯いたまま答えない。何かを言おうとしているが言えなくて、もじもじとしているように見える。

やがて、口を開いたのは……やはり男の方だった。

「今日は、もう君しかいないから……良ければ、すぐに診てあげるけど?」
「っ……!」
「どうする?」

その、やはり含みを持たせたような言葉に、

「………」

少年……ツナは、男をまともに見れないまま、僅かにこくりと頷いたのだった。


数週間ほど前のことだ。酷い筋肉痛のためこの接骨院を訪れたツナが、この男に……口では言えないようなことをされたのは。

院長ではない。最近新しく入った整体師なのだが、一週間の内の何日かは、夕方から終業時間までを一人で任されているらしい。
その、たまたま他に患者もいない、男と二人きりの時に……

(あんな、こと……)

苦しくて辛くて、だけどおかしくなってしまいそうなほど……気持ち良くて。

ただそれよりも、何も考えられないくらい衝撃的で……恐かった。それからしばらくは、店は愚かこの近くの道を通ることもできないほど。

そう、最初は恐かったのだ。男も、ここで強制させられた行為も。もちろん、それは今も変わらない。

だが、

「……じゃあ、ここに横になってね」
「………」

この間と同じ、一番奥の施術台へ案内される。

さっき男は、入り口に営業終了の立て札を立てた。今日はもう、ここに誰も来ることはない。

この間と、全く同じだ。

「………」

ツナは、薄いローブのような物を着ていた。中は下着だけの、心許ない姿だ。

促されて施術台に上がるスピードはかなり遅い。これから起こるかもしれない出来事に、躊躇いが生じているのだ。

だが、その怯えた表情には……何か、別のものも含まれていた。

「それで、どこが痛むのかな?」
「っ……」

覗き込むように顔を近付けられて、再び頬を赤くする。だが心の中に浮かぶのは、戸惑いと焦れったさだった。

(何で……)

男は、恐らく分かっているはずだ。何故、ツナがまたここに来たのか。

何を……彼に求めているのか。

それなのに、

「言わないと、分からないままだよ?」
「………!」

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