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□Special
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スクーデリアとは、ディーノの匣兵器である立派な白馬だ。お城のような巨大な屋敷から、炎で輝く白馬に乗って飛んでいくディーノは、本当に王子様のようでさぞや格好良かっただろう……とツナは想像する。

だからこそ、女装している自分が滑稽で恥ずかしかったりするのだが。

ちなみに、今回女装するように提案したのはディーノである。男女でいた方が不自然じゃないだろうという、最もらしい理由だったが……

「俺は、そのスカートで空を飛ぶツナの方が見たかったけど」
「……ディーノさんの、エッチ」

本当の理由は、分かりやすすぎるほどだった。ただ、満足そうな顔をするディーノに仕方ないなぁと許してしまう辺り、ツナも甘い。

付き合い始めて約半年。その間に、恋人として会えたのは数えるほどだが……

「しばらく会えなくて、すげぇ寂しかった」
「俺もですよ」

ひとしきり今日の脱出劇の話題で盛り上がった後は、他愛もない話。最近あったことや、ファミリーのことなど。

そんな中、ツナが相変わらず無茶をする守護者達の話をすると……今度は、ディーノの方が少し拗ねたような顔をした。

「良いよなアイツらは。ずっとツナの傍にいられて」
「ずっとって……さすがに四六時中一緒にいる訳じゃないですよ」
「けど、同じ屋根の下だろ?俺よりも遥かにたくさんツナと接してるじゃねぇか」
「まぁそりゃ、ファミリーですから……」

(あ……)

そんな、恋人でもあり兄弟子でもあるディーノの様子にツナはおや、と思う。

半年もの間。恋人同士になったとはいえ、こうして他愛のない話をしたり食事をしたり……周りから見れば、二人の様子に変化はないように感じられる。もちろん、関係を隠すように装ってはいるのだが。

ただ……全く変わらないという訳でももちろんなかった。互いの雰囲気、視線、声音……それらが全て甘く感じられるようになったのは、恋人ならではだろう。

だが……それだけでもなかった。

「ディーノさんだって、素敵な人達と一緒じゃないですか。俺、皆さんがすごく羨ましいです」
「いーや、ツナの所は特に心配なんだよ。お前を狙ってる奴、たくさんいるんだからな」
「あはは、そんな」

尚も言い募るディーノに、ツナは内心くすりと笑った。

昔から格好良くて頼りになって、憧れの存在であるディーノ。もちろん、それは今も変わらないのだが……

(ディーノさん、まだ拗ねてる)

最近、彼についていろいろと分かったことがあった。

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