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□Special
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たとえお互いの関係が変わっても、それは肩書きとか表面上だけのものであって、

相手に対する気持ちとか印象とか、その内側にあるものは…そう大して変わらないだろうと……

そう、思っていたけれど―――――





やっぱり……そんなことは、なかったみたい―――――


***


夜も更けて。普通ならば、そろそろ多くの人々が活動を終え眠りに就く時刻。

イタリアのとある街。そのどこかにある、見るからに格式の高そうなホテルのロビーで。

「―――っ、お待たせしましたディーノさん…!」
「おぉ、ツナ…!」

広々とした空間の隅の方、いくつか置かれた観葉植物の陰で……そんな、囁き合うような声が響いた。

いくらもう遅い時間帯とはいえ、この辺りの地域はこれからより賑わいを見せる。堂々とした、格式高い人間がまだ多く行き交う中……何故か、隠れるような素振りをする二人の人物。

「それにしても……すげぇ格好だなぁ」
「っ、ディーノさんが言ったんじゃないですか…!」

それは、実はどちらもイタリアを代表するマフィアのボスだった。

ツナ……沢田綱吉は、ボンゴレファミリーの。ディーノと呼ばれた男は、キャバッローネファミリーの。

この二つは同盟を組んでいて、会談や仕事の関係で良く顔を合わせるのだが……どうやら、今日はそうではないらしい。

そもそもマフィアのボスが、護衛も付けずに出歩くなんて普通はあり得ないだろう。

これには……当然ながら、とある訳があった。

というのも、

「こんな格好、俺は絶対に嫌だったのに……」
「いやいや、すげぇ似合ってるって意味だぜ?」
「それ、全然嬉しくないです……」

それは、今のツナの服装にも関係しているのかもしれない。

ツナは男だ。小柄で童顔で成人しているようには見えないが、れっきとした成人男性だ。

だが…今は、普段とは全く違う格好をしていた。いや、そもそも男には不自然な……ワンピースを、着ていたのだ。

淡い色の、ふわりとした可愛らしいワンピース。上に白いカーディガンを合わせ、足元は少しヒールのあるパンプス。

つまり……女性の格好をしていて。

普通の男なら、そんな服装をしてもすぐにばれそうなものだが……悲しいかな、顔立ちや体型も相まって、ツナに関しては全く違和感がないと言って良いほどだった。髪は短いままだが、彼を見て男だと見抜く人間は少ないように思われる。

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