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□Stimulative
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だがツナにも生活があるため、ここでクビになる訳にはいかない。なるべく早く帰ってくれるよう祈りながら……男が待っているであろうVIPルールへ向かった。


それなのに、

「チッ……さっさとしやがれドカス」

入った部屋に、いつもの変態オヤジはいなくて……代わりに、この若く美形の男達がいたのだ。パニックになるのも無理はない。

早い話が、ツナは部屋を間違えたのだ。この部屋には、本当は一流のダンサーが入るはずで……自分は向かい側の部屋だった。

だが、今さらそれを告げて出ていける雰囲気ではない。というか言い出せる勇気がない。

彼らの視線に、ツナは恐怖と……羞恥で俯いてしまった。

「あーあ、お前らの顔が怖いから縮こまっちまったじゃねぇか。可哀想に」
「ホントだよ。君、気にしないで踊ってくれて良いよ?僕ら、勝手に仕事の話してるからさぁ」

そんなことを言われても、こんな空気の中で踊りなんてできる訳がない。
自分は初心者も初心者。その上才能もなければ要領も悪く、とても見られたものではないのだから。

だが、

(従わないと、クビ…!)

それだけは困る。ツナには身寄りがなく、働かなければ生活ができない。
そのためには、やるしかないのだ。

幸い男達は、言葉の通り何やら難しい話をし始めた。その表情は真剣そのもので、こちらを見てはいない。

(ええーい、なるようになれっ!)

覚悟を決めると、ツナは震える手と足をゆっくり動かし始めたのだった。

店内を静かに流れる、ゆったりとした音楽に合わせて手を前へ、足を軽く開いた後にクロス。転ばないように慎重にターン。髪飾りがしゃらりと揺れた。

(うぅっ……!)

正直、誰が見てもツナのダンスは下手だった。動きがぎこちなく、音楽に合わせているつもりが少しずつズレてしまっている。

足も中途半端にしか上がらないし、たまによろめいて……踊っているというよりも、珍妙な動きをしているようにしか見えない。

そして、やはり着ている衣装が恥ずかしすぎた。動く度にふわふわする布、大切な部分と小振りな臀部にピッタリと張り付く際どい下着。

いくら男達が見ていないとはいえ、何の拷問だと思いたくなる。

それに引き換え……この男達はどうだ。

(ホント、男前ばっかり……)

半ばやけくそになってきたツナは、恨めしそうな顔で男達を見た。

まず左端には、漆黒の髪に血のように赤い瞳をした目付きの鋭い男。ツナに苛ついていたし、怒らせたら危険な肉食獣のようだ。

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