Main4
□Stimulative
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だが、何故ツナがそんな格好をしているのかと言うと、
(何でこんなイケメンだらけ!?あの……あの変態オヤジは!?)
きっかけは、最悪な運命のイタズラだった。
いつものように食器を洗ったり荷物を運んだり、たくさん扱き使われていたツナ。その時は、ゴミを裏口から外に出そうとしていたところで、
『な、なんてっ……なんて愛くるしいんだ君は!』
『………は!?』
酔っ払って部屋を間違えたのか、スタッフ専用のドアから傾れ込んできた一人の客に……一目惚れされた。
そして、すぐに客のVIPルームに連れていかれ(拉致されたとも言う)高級なソファーに座らされて、いろんな話やお酌をさせられたのだ。……至近距離で、常に身体を撫で回されるというオプション付きで。
気持ち悪くて逃げ出したかったが、客が相手だし今回だけだと……我慢して、その時を乗り越えた。
だが、それだけでは終わらなくて……その客は、来店する度にツナに部屋へ来るよう注文したのだ。
聞けば、その男は世界的にも有名な資産家で、常に店に巨額の金を落としていくお得意様で……店側は、機嫌を損ねるようなことはできなかった。というか、嬉々としてツナを客に差し出した。
しかも男の行為は段々大胆になって、ツナに着てほしいと言っては女性物の、露出の高い服を着せるなどエスカレートしていって。
さらには、踊りが好きなのか……最近では、毎回のように舞をしろと言う。経験などないため断ろうとすれば、店側は一流のダンサーに頼みツナを指導するよう手配までして。
(というか、こんな下手っぴな踊りを見て何が楽しいんだよ!?)
指導をしてもらうも、初心者な上に元々鈍臭いツナが上手く踊れるはずがない。だが男は構わないのか、一人で踊るところをニヤニヤと眺めたり、たまに一緒に踊ったりする。
それも、ダンスなんてものではなく……身体を引っ付けて適当に動きながら、やっぱり全身をベタベタ触られるだけのものなのだが。
(くそっ、何で俺がこんな格好……!)
そして、本日指定された衣装がこれである。サイズを計られた訳ではないのに、毎回ピッタリのものを持ってくる男が恐ろしい。
(今日は、どれくらい拘束されるんだろう……)
他の客に(スタッフにも)なるべく見られないようコソコソと通路を進みながら、ツナはげんなりとしていた。すぐに飽きられるだろうと思っていたのに、男は今もツナにご執心だ。