Main4
□Repetition
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抵抗が緩んだ隙に、ザンザスはツナを捕らえたまま再び歩きだした。扉を蹴り開け中へ入ると、まっすぐに奥へと進む。
一番奥にある……ツナのベッドへ。
「わっ…ぶふっ…!」
そして、有無を言わさずその細い身体をそこへ放り投げた。すぐに自分も乗り上げ覆い被されば、何をするか分かっていたツナがさらに焦ったように声を上げる。
「ゃっ、ちょっ…き、今日は止めよう…!?」
「………」
「ほらっ…も、もう遅いし!明日も早いからっ…な…!?」
身体に顔を埋めようとするザンザスを何とか押し退けようと踏ん張る。刺激はしないように、だが必死で。
驚くことはない。ドン・ボンゴレと、その部下であるヴァリアーの隊長は……随分前からそういう仲なのだ。
恋人だと公言している訳ではない。始まりも、今のようにザンザスが強引にツナを抱いたと言っても過言ではない。
ただ、ツナは戸惑いながらもそれを受け入れて……それからこの関係はずっと続いていたのだ。
「まっ…ザンザス、ってば…!」
だが、ツナは今日は駄目だと言う。いつも何だかんだで流されてしまうのだが、今日は頑なに。
「っ……せ、せめて先にシャワー浴びようか!血…汚れたままじゃ…」
「必要ねぇ」
「っ、こらーっ!ひぅっ…!」
押し退けようとする手を逆に押さえ付けられて、首筋をべろりと舐められた。その異様に熱く荒い吐息に、ザンザスがかなり高ぶっているのが分かって……ツナは身体を竦ませる。
「っ、やだ……!」
敵と戦って興奮しているのだろうか。血を見て、その匂いと感触に身体があらぶっているのだろうか。
違う。ザンザスはそんな人間ではない。
いつも強引にツナを抱く彼だが、今日は……
こんな日は、いつにも増して……
「……はっ」
その時、いったんツナの身体から顔を離したザンザスが、
「……血で汚れている俺に抱かれるのは嫌か」
「っ……!」
不意に、そんなことを言った。その表情には、ツナを嘲るかのような笑みが浮かんでいる。
「な、に…」
「こんな……」
その先は聞きたくなかった。
だから駄目なのだ。ツナは、こんな日は本当はザンザスに会いたくなかった。
何故なら、こんなにも彼が高ぶっているのは……
「こんな……テメェを殺そうとしたカスの血で汚れた俺に抱かれるのは」
「………!」
低く擦れた声で、囁くかのように言ったザンザスに……今度こそ、ツナの瞳が傷付いたように揺れた。