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□Repetition
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硝煙の匂いが好き?

血を見ると興奮するだと?

俺をただの戦闘狂いと一緒にするんじゃねぇ。

カッ消すのは目障りだから、邪魔だから……それだけだ。

そこにあるのは苛立ちと、どうしようもない憤怒と。

だからその目的が達成されたとして、満たされることなどなければ、そこに愉悦なんざある訳がねぇ。

だが……





「……お帰り…ザンザス……」

クソが……今日は別だ。

今日は…こんな日は……

「ずいぶん…遅かった、ね……?」

全身を包む鉄臭い血の匂いに、

自分を見つめるその姿に、

「………」

身体中の血が、狂ったように滾ってやがる。

こんな日は、もう……





「……チッ…!」





もう、抑えきれねぇ。





***


とうに日付も変わり、辺りが完全な闇と静寂に包まれる時刻。

イタリアのどこかにある、周りを深い森に囲まれた巨大な屋敷……ボンゴレファミリーのアジトで。

「………!」

不意に、自分しかいないはずの空間に微かな物音が響いて……だがその良く知った気配に、ツナはすぐさま緊張を解いた。書き物をしていた手を止めて、椅子からゆっくりと立ち上がる。

そして、振り返った先……豪奢な部屋の奥にある、バルコニーへと続く大きな窓の前に立つ男へ、静かに笑みを向けた。

「……お帰り…ザンザス……」

ただ……その微笑みや声音、雰囲気はどこかぎこちない。困ったような、少し眉を下げて笑う彼は、言葉では言い表わせない複雑な感情を抱いているように見えた。

だが、すぐに明るい声を出して、

「っ、もー…急に現れるからビックリしたじゃん!」
「………」
「声くらいかけてくれたら良いのに…!」

対する男……ザンザスは無言だった。ただでさえ辺りが薄暗いのに、漆黒の髪に黒を基調にした隊服を身にまとっているため、闇と同化しているように見える。
だが、その中で唯一血のように紅く鋭い瞳が、闇に潜む猛獣を思い起こさせた。

「っ、あー…その……」

そんな彼を、何故かツナは先ほどから直視することができない。無意識に視線を反らしているし、声の明るさも不自然だった。

それは、ザンザスを恐れているのからだろうか。それとも……

「それに、またそんな所から入ってきて……」
「………」
「ちゃんとドアから来てって…いつも…言ってる、のに……」

たがそれも、自分を射抜く鋭い視線や無言の圧力に、だんだん小さくなっていって。

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