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□Black out
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そして今、

「なん、だ…この、ふざけた格好は……!」

綱吉は、射殺しそうなほどの鋭い視線を男に向けたのだった。何故なら彼は……男とは思えないような格好をしていたから。

剥き出しの身体に、女性が身に付けるような……それも明らかに普通ではない―――下着を。

そのほとんどが黒のレースを基調にしていて、胸元には極度に布地の少ないブラジャーが付けられていた。それも、レースが胸の回りを囲うようなデザインになっているだけで、中心の小さな突起は剥き出しになってしまっている。

そして腰のガーターベルトと、ショーツも肌が透けるほど薄い黒。しかも、ショーツも局部に穴が空けられたもので……綱吉の、年齢にしては綺麗な色をした性器が露出しているのが嫌でも分かった。
臀部まで大きく開かれたそれは、あとは細い紐が滑らかな双丘に食い込んでいるだけで。

さらに、ベルトから伸びるガーター紐と繋がるのは、やはり黒の……網状のタイツ。それが、白くほっそりとした綱吉の足を緩やかに締め付け、包み込んでいた。

その全てが、男が身に付けるものでは決してない。だが、華奢な体躯に女にも劣らない白く滑らかな肌をした綱吉には、それが酷く淫靡で、背徳的な何かを醸し出していて。

そして、剥き出しになった秘部とのアンバランスさが、堪らないほどの何かを掻き立てた。

そんな姿で捕らえられている綱吉に、男は欲情に滾る瞳を向ける。

「最高に、良く似合っている」
「ふざ、けるなっ…今すぐ、解け…!」

怒りと屈辱に、もっと激しく怒鳴り付けてやりたい。だが欲に塗れた視線に舐めるように見られて、同じくらいの羞恥に体温が急激に上がる。

露になったそこを隠したいのに、手を戒められていて叶わない。足もベッドに繋ぎ止められているので、僅かに腰を捩らせ顔を背けることしかできなくて。

だが、その仕草は男をさらに煽るだけだった。

「本当に、堪らねぇよ」
「っ……!」

にやりと薄ら寒い笑みを浮かべた、だが熱を孕んだ瞳の男がゆっくりと近付いてきて、綱吉は身体を強ばらせた。それでも、強く睨み付けることは止めなかったが。

「何、する気だ……」
「分かってるだろう?」
「っ……!」

その言葉に、びくりと肩が跳ね上がる。

思い出したくもない、意識を失うまでの記憶。この男は、自分を……それまでの記憶が鮮明によみがえってきて、綱吉は何とか拘束から逃れようと藻掻いた。
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