Main4
□White presents
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ここ数日、ツナはろくに睡眠もできずに任務をこなしていたのだ。
(明日は、貴重なお休み……)
ふらふらと、足が無意識にベッドへ向かっていく。堅苦しいスーツのジャケットを脱ぎ捨て、ネクタイとベルトもぽいぽいと放りながら。
そしてベッドへたどり着いた瞬間……ツナはカッターシャツとスラックスを着たまま、ふかふかのそこにダイブしたのだった。一瞬で、心地よい眠りに誘われていく。
(まぁ、いっか……)
獄寺のことは気に掛かったが、沈み込むような眠気には勝てそうにない。
どうせおかしいのはいつものことだろう、と……あまり深く考えずに、ツナは気絶するように眠りに落ちたのだった。
それが、大きな間違いであることも知らないで。
***
心地よい、本当に心地よい眠りに就いていたはずだった。
「……ん、ぅ……」
どれくらい時間が経ったのだろう。不意に、沈み込んでいた意識がゆっくりと浮上した。
何だか肌寒いのだ。確かに布団を被った記憶はないが、もっと根本的に……
そして、普段なら感じないような……違和感。
「っ、んん……」
だが疲れた身体は鉛のように重くて、中々意識もはっきりせず目蓋も持ち上がってくれない。
だから気にせずに、もう一度深い眠りに就いてしまおうと思った時だった。
「―――綱吉」
「っ、ぁ……!」
耳元で、低く艶のある誰かの声音が響いたのは。
それだけでない、誰かの手が自分の身体に触れている。それも、複数の。
「―――起きなよ、綱吉」
「全く、あんな格好で布団も被らずに寝て……風邪をひいても知りませんよ」
「ん、ぅ…ぁ……!」
肌に触れられるくすぐったさに身体が震える。だんだん意識が明確になってきて、部屋の中には複数の人間がいることが何となく分かった。
聞き慣れた声と気配で、それが誰なのかもだいたい把握できる。
ただ、
「にしても、ツナの格好……最高に可愛いのな!」
「可愛すぎます、ツナさん……!」
「ふ、ぁ……?」
可愛い?スーツを中途半端に脱いだだけなのに、どこがそんなに……そこで、ツナはようやくゆっくりと目を開いたのだった。
明るくはないが、そこまで薄暗くもない室内。視界に飛び込んできたのは、見知った天井と……
「お目覚めですか?十代目」
「良く眠っていたな、沢田!」
「み、んな…?何で……」
まだ上手く働かない思考が、さらに疑問でぐるぐると回り始める。