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□Cute plaything
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それは、部屋の一番奥の隅……そこに一つ、長いカーテンが窓もないのに不自然にかかっているのだ。落ち着いた色をした、というかくすんでボロボロのそれは目立たないので今まで気付かなかったらしい。

「………?」

何となく気になってそろそろと歩み寄ると、ぼろ布のようなそれをめくってみた。

そこには、

「え……ドア?」

カーテンの陰に隠れていたのは、小さな扉だった。こんな所にこんなものが存在したなんて知らなかったツナは、目をぱちくりとさせる。

どこかへ続いているのか、もしくは別の部屋があるのか……気になる。すごく気になる。

(っ、よし……)

ツナは、ドキドキと胸が高鳴るのが分かった。この先には何かがある。
確信などないが、それこそ骸のとんでもない秘密が……自分の超直感がそう告げているのだ。

「っ……!」

そっと、ドアのノブを握る。再び唾を飲み込んで、はやる心臓を押さえると……ゆっくりとドアを開けた。

そして、

「………」

扉の向こう、その先に広がる光景を見て……ツナはびしりと固まってしまった。そう、文字通りびしりと。

何故ならそこには、

「な…なっ……!」

(何だよこれーっ!?)

色とりどりの、様々な……大量の衣服が並んでいたからだ。

部屋自体はあまり大きくないし、天井も高くない。恐らくテーマパークの、スタッフの控え室にでも使っていたのだろう。

そして……その狭い部屋にはハンガーラックがびっしりと置かれていて、それはもうたくさんの服が吊り下げられていたのだ。

いや、服と言ってもそのほとんどが学生服だった。実に様々な、見覚えがあるものも少なくないそれらは並盛や黒曜の中学、高校のものも混じっている。それも、男女両方。
そしてもちろん学生服だけではなくて、いわゆるコスプレと呼ばれるプレイに使われるようなベタな、もしくはマニアックなものまで実に様々だった。

そんなものが部屋の隅から隅まで並べられた光景を見れば、固まってしまうのも当然だろう。

「は、はは……」

全身が、何だか急に薄ら寒い感覚に捕われた。何故だろうか、これは明らかに骸の弱点になりそうなのに……本当に、見てはいけないものを見てしまったような気がするのだ。

(と、とにかくこれって…骸の秘密、だよね……?)

弱味は握った(多分)。だから、早くここから出てしまおう……いや、出なければならない気がする。

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