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□My status
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ただ、すぐにいつもの笑顔に戻って明るく言うディーノに、ツナは頷きながらも、

「………」

案内をするために踵を反したその背中を、じっと見つめたのだった。


***


会談と言っても、今回は定例の報告や打ち合わせだけで、夕食前に軽くお茶をしながらあっさりと終えることができた。その後はホテルの中にある、落ち着いた雰囲気のレストランで食事をする。
定例ではあるが、ディーノもツナも多忙でこうして会うのは久しぶりなのだ。だから夕食は、互いに一マフィアのボスという立場を忘れて、仲の良い兄弟弟子として楽しい時間を過ごした。

そしてツナは、次の日に久しぶりの休暇を与えられていたので……食事の後、間もなく日も変わる時間帯になっても、ずっとディーノと一緒にいたのだった。
場所は最上階にある、夜景を見渡せるバー。カウンターに二人で並んで座って、取り留めのない話をする。

不意に、ディーノがウイスキーの入ったグラスを傾けながら、

「今日は無理言って悪かったな、ツナ」
「え?」
「ほら、二人だけで会談したいなんて、さ」
「ぁぁ……」

実は今日、ツナは一人でここへやってきたのだ。いくら十年以上の付き合いで親しい仲とはいえ、マフィアのボスが護衛も付けずに出かけ他のボスと会うなど普通はあり得ないだろう。

「まぁ、皆良い顔はしてませんでしたけど……」
「はは、そりゃそうだろうな」
「けど、ディーノさんなら安心だし、このホテルもディーノさんの物ですし」

確かにこのホテルはキャバッローネファミリーの所有物で、警備は厳重なのだが……そしてディーノも、今日は自分の部下を側に付けていなかった。

今日は彼が、二人でゆっくり話をしたいと申し出てきたのだ。

「皆を説得するのは大変だったけど……俺も、ディーノさんと二人で話がしたかったですから」
「ツナ……」

にっこりと笑うツナに、ディーノも穏やかな笑みを浮かべる。

だが、

「今度あいつらに会ったらどやされるだろうな。ツナは愛されてるから」
「あ、愛っ…?ディ、ディーノさんに比べたら、俺なんて…」
「そんなことねぇよ」

気のせいだろうか。ディーノの笑みに、不意に言い様のない別の何かが滲んだのは。

「守護者達だけじゃない。俺が見ても分かるくらい、ボンゴレの誰もがツナのこと大好きだし、信頼してる」
「そ、そんな…俺は……」
「こうして会う度に、立派なボスとして成長してるってって感じるしな」
「………!」

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