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□My status
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日が完全に沈んでも明るく賑やかなイタリアの街。その一角にある、見るからに格式の高い一つのホテルの前に、一台の高級車が停まった。

運転手に恭しくドアを開けられて降り立ったのは、若くて小柄な青年。薄茶色の柔らかい髪に少し幼い顔立ち、華奢な身体を漆黒のスーツに包んでいる。

日本人だろうか。ただでさえの童顔はここイタリアではさらに若く、まだ未成年に見えてもおかしくはない。

青年は、ホテルのエントランスまで案内してくれた運転手に丁寧に礼を言うと、吸い込まれるように中へと入っていった。

そして、

「ディーノさん!」

中のロビーで待っていた青年を見付けると、表情を輝かせてその名前を呼んだのだった。

それは三十代前半の男で、誰もが振り返るような整った容姿をしていた。金の髪に同じ色をした瞳、白いスーツに身を包み優雅に立つ姿は、それだけで絵になっている。

だが、

「ツナ、良く来たな」

ディーノと呼ばれた、モデルか俳優にしか見えないこの男は……実は歴としたイタリアンマフィア、キャバッローネファミリーのボスなのだ。

そして、ツナと呼ばれた青年もまた……ボンゴレファミリーという巨大マフィアの、十代目ボスなのである。

この二つのファミリーは同盟関係にあり、ボス同士で親交を深め会談や商談なども頻繁に行っていた。時には、敵対するマフィアとの抗争を収めるため共闘することもあるほど。

だが、二人の付き合いは十年以上前……まだツナがボスになるずっと前からあった。というのも、二人にマフィアのボスになるための知識や戦闘技術を教えた師匠と呼ぶべき存在が、実は同じ人物なのだ。
つまり二人は、兄弟子と弟弟子という関係でもある。

それに、ディーノはツナを本当の弟のように可愛がり、ツナも強くて格好良い彼を良い兄貴分として慕っていた。

そしてそれは、ツナがボスになってからも変わりはなくて。

だが、

「久しぶりだな。元気にしてたか?」
「はい、ディーノさんもお変わりなく」
「ああ―――」

成長しても身長差があるため、見上げるようにして嬉しそうに笑うツナ。ディーノも顔を綻ばせ、いつものようにそのふわふわとした頭を撫でようと手を伸ばしかけて、

「あ……」

だが、その手はツナに触れることなく下ろされてしまった。一瞬のことだったので、気のせいだったのかもしれないが。

「ディーノさん?」
「……いや、何でもねぇ。それより、堅苦しい会談はさっさと終わらせて、美味いもの食おうぜ!」
「?はいっ」

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