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□The sky
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ということは、ツナは攫われる直前、まっすぐ家には帰らずどこかへ寄り道をしていたということだろうか。ただ、何か用事があるということは母親の奈々を始め、家にいた人間は誰も聞いていない。

もう中学生なのだから、そんなことは大した問題ではないのかもしれないのだが……

「恐らく、ツナはもう並盛にはいない。だが……」
「何か手掛かりがつかめるかもしれません!俺、十代目が目撃された場所へ行ってきます!」
「おお、そうだな!」
「俺も行くぜ!」

少しでも、その可能性に縋りたいと思うのは当たり前だろう。全員が、頷くやいなや飛び出すように部屋を後にしたのだった。





その出掛けに、

「それにしても、十代目は家に帰らないで一体何をするつもりだったんだ……?」
「さぁ、けど心配だよな……ツナ、最近ちょっと元気なかった気がするし」





(何事もなけりゃ良いが、な……)

一気に静まり返った、主人のいない部屋で……リボーンは、内心そう呟いたのだった。

それがまさか、最悪の事態になるなど……この時はまだ、誰も思いはしなかっただろう。


***


深い深い闇の中。

(………)

ふわりと、微かに意識が浮上するのが分かった。

(ここ…どこだろう……)

辺りは真っ暗で何も見えない。また何の音もしない。

どこかへ向かおうと、身体を動かそうとしてもできなかった。全身が鉛のように重く、指一本も動かせない。

意識もぼんやりとして、微かに浮かんだもののまたどんどん沈んでいくようだった。

(あ、れ……)

ふと疑問に思う。自分は、今まで何をしていたのだろうか。

何故、こんな所にいるのだろう。

(何も、思い出せない―――)


***


目撃者の話によれば、ツナは家とは別方向にある商店街を通り抜けてどこかへ向かっていたらしい。やはり初めから何か目的があって、家には帰らなかったのだろうか。

そして、

「……ここ、か?」
「ああ、恐らく……」

商店街を抜け、さらに町人の証言を頼りにたどり着いたのは、

「しかし……こんな所に何の用があるのか、検討も付かんぞ」
「うーん、だよなぁ……」

鬱蒼と生い茂る木々。道はあるが、やや急な斜面。

それは、並盛町の外れに位置する小高い山だった。山と言っても町内のハイキングコースとして知られているし、少し登った所には古いが大きな神社があるため、祭りの時などには多くの人で賑わうのだが。

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