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□The sky
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一体、いつからだろうか……
「十代目っ!右腕であるこの俺にお任せ下さい!」
「ツーナ、また面白そうなことやってんのな!」
心の奥底に、言い様のない何かが芽生え始めたのは。
「ツナぁっ!俺っちと遊べー!」
「沢田!極限にボクシングだ!」
いや、ただ気が付かなかっただけで……それは、もうずっと前から自分の中で渦を巻いていたのだろう。
あるいは気付きたくなくて、ずっと知らないフリをしていたのかもしれない。
けれど、
「楽しませてくれないと、すぐに咬み殺しちゃうよ?」
「クフフ……君は、僕の標的であるということをお忘れなく」
(ああ……)
一度その感情に気付いてしまったら、もう誤魔化すことはできない。
仄暗くて淀んだそれは、収まることも消えることもなく……むしろ、どんどん膨れ上がるばかりで。
そして、
「おいダメツナ。そんなんじゃ、立派なマフィアのボスになんかなれねぇぞ」
(ああ…もう、ダメ……)
抑えきれなくなったそれは、やがて―――
***
「十代目が……行方不明!?」
夕刻。もう間もなく日が完全に沈むであろう時間帯。
ごく普通の、とある家の一室に……大きな衝撃が走った。
部屋の中にいるのは、恐らく中学生であろう、学生服を着た三人の少年達。
そして、何故か漆黒のボルサリーノにスーツを身に付けた、一人の赤ん坊。
ちなみに、部屋の主人は今この場にはいない。何故ならば、
「そ、それはどういうことですかリボーンさん!」
「そうだぜ小僧!ツナが行方不明って……」
「極限、詳しく教えるのだ!」
その部屋の主人というのが、今話に出ている……沢田綱吉その人だったからだ。
沢田綱吉……ツナは、中学に上がるまでいたって平凡な生活を送る普通の少年だった。
だがある日、イタリアからやって来た……このリボーンと呼ばれた赤ん坊に、自分は実はボンゴレファミリーというマフィアの正統後継者であることを告げられて。
それからというもの、ツナの平凡な生活は一変した。
立派なマフィアのボスになるため、と有無を言わさず過酷な修行を受けるはめになったのだ。
それだけではなく、様々な事件に巻き込まれたり、十代目候補である自分を狙う存在と何度も死闘を繰り返したり……命の危険にさらされたこともたくさんあった。