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□Easy question
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(相手は…あの白蘭なのに……!)
白蘭の笑顔やスキンシップに胸をドキドキさせて、顔を赤くしてしまう自分がいるのだ。同じ男だというのに。かつて死闘をした相手だというのに。
だが白蘭も、
「じゃあさ、この簡単そうなやつからやろうよ〜」
「う、うん……」
(本当に…何を考えてるんだろう……)
いくら現代の人間だからといって、未来での記憶は継承されているはずだ。自分を倒した相手の元へわざわざ来るなんて……ツナには全く理解できなかった。
***
だがそれからも、やはり白蘭はツナの元へ現れた。何てことはない、たわいのない話をしたり遊んだりするために。
そしてそれは、ツナが一人の時だけでなく友人や仲間と一緒にいる時も同じだった。
始めは誰もが警戒していたし、獄寺などは今でもそうなのだが……山本は助けてもらった恩もあり、了平も単純なので割と早くに打ち解けていた。ランボなどチビ達は、飛ぶことができる彼に乗せてもらったりして大喜びしているし、すっかり懐いている。
さらには雲雀や骸も、彼を敵ではなく良い交戦相手として認識しているようだった。
それもこれも、この白蘭が本当に裏表のないように見えて、人に好かれやすそうな雰囲気をしているからだろう。
ただそんな彼も、ツナにだけはスキンシップが多く、またツナのことを良く聞いてきた。好きな食べ物や趣味、学校での生活など。
それらも、本当にただ興味があって、心から知りたいと感じている様子で。
(何だかなぁ……)
だからツナは、余計に分からないのだ。白蘭が何を思っているのか。
いや、むしろ何も思っていないようにも見える。するとこちらは、さらに訳が分からなくなって。
そして……とうとう我慢ができなくなったのだ。
「……あのさ、白蘭」
「うん?」
「お前、何を考えてるの?」
その日は、家にツナ一人だけだった。休日で、母親や居候のチビ達は大きなショッピングモールへ出かけて夕方まで帰ってこないという。
獄寺も用があるのか遊びに来ないし、山本も部活だろう。
久しぶりにのんびりとした時間を過ごそうと思っていた時、白蘭がやってきたのだ。
別に誘いを断る理由はないし、暇だったので普通に家に上げてやった。最早定位置になった、ベッドの上に二人並んで座って、何でもない話をして。
ただ、今までのことが気になって……気付いたら、口を開きそんなことを問い掛けていたのだ。