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□Tactics
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日が完全に沈み夜になっても、様々なネオンの光で明るく賑やかな街。ただ昼間とは違って、そこには独特の雰囲気が漂う。

そんな、イタリアのとある都市で、

「……いつまでへそを曲げてるんだ?ツナ」
「………」

助手席の窓から、流れゆく繁華街の風景を眺めていたツナと呼ばれた青年……沢田綱吉は、隣の……運転席からかけられた声を無視した。

ふわふわの薄茶色の髪に大きな瞳。名前からして日本人だろうが、細く小柄な身体はこの国ではさらに若く、まだ十代後半に見えてもおかしくはない。
不機嫌そうに唇を尖らせる姿は、なおさら彼を幼く見せていた。

そんな様子の青年に、運転をしていた男……黒のボルサリーノにスーツを身に付けた、そして酷く整った鋭い顔立ちの男……リボーンは、全く困った様子もなく笑ったのだった。

「ふん、何をそんなに怒っている?」
「っ、そりゃ怒るよ!何だよ今日の会談は!」

思い出したのと、全く他人事のようなリボーンの物言いに、ツナが子犬のように噛み付く。


こう見えて、ツナはイタリア一の巨大マフィア、ボンゴレファミリーの十代目だ。若くしてボスに就任した彼は、膨大な仕事に追われながら、また常に命の危険にさらされながらも何とか毎日を送っていた。

そしてマフィアのドンは、同盟ファミリーと友好関係を築くことも重要で、盛んな訳で。

だが、

「あのエロ親父っ!いっつも人の身体をベタベタ触って!」

今日会談し会食した某マフィアのドンは、何の趣味か性癖なのか……そういう意味でツナを好いていて。いつも過剰なスキンシップをしたり、プライベートでの接触をしつこく図ってくるのだ。

今日も、親交を深めるためと言っては手を握られ肩や腰を抱かれ尻を撫でられて……嫌悪感で顔が引きつらないようにするのに必死だった。

「もう完璧なセクハラじゃん!俺は男なのに!」
「そりゃ、お前が男を誘うフェロモンを垂れ流してるのと、無防備にしてるからだろ」
「どういう意味だよ!だいたい…」

しれっと答えるリボーンに、ツナの怒りは最高潮に達している。それもそのはず、

「だいたい、リボーンも側にいたのに何で助けてくれなかったんだよ!さりげなく止めてくれれば良かったのに!」
「俺はお前の守護者じゃねぇ。ただの付き添いだからな」
「っ……!」

そう、リボーンは元々ボンゴレの人間ではない。世界最強のヒットマンであり、十年前から家庭教師としてツナの側にいる人物なのだ。

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