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□Well-matched
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「………」

並盛中学最強の風紀委員長……雲雀恭弥は、端正な顔を微かに歪め不機嫌な様子を隠そうともせずにそこにいた。

並中の風紀委員と言えば、学校指定のブレザーではなく学ラン姿で、髪型もリーゼントだったりがっちり固めていたりと、今時どこの不良集団だと思うような見た目をしている。活動内容も、風紀を乱す(その規定もかなり特殊)人間は完膚なきまでに叩き潰すというめちゃくちゃな、むしろやはりただの不良集団としか言えないような組織だ。

そしてそのトップに君臨する雲雀と言えば、二学年にも関わらず上級生にも下級生にも、それどころか並盛町では知らない者がいないのではないかというほどの人物で。彼に目を付けられたら最後、再起不能になるまで咬み殺されてしまうというとんでもない存在だ。

そのため周りの人間は皆彼を恐れ、畏怖の眼差しで見るのだった。

現に……今は朝の登校時間。風紀委員は正門の前で朝礼活動……という名の、目に付く奴がいればフルボッコという制裁活動をしていたのだが。雲雀の側を通る生徒は皆これ以上ないほど緊張した様子で、そそくさと通り抜けていく。

ただでさえ怖いのに、不機嫌そうな気配を放っているとなるとその恐怖は倍増だ。

「………」

何故、今日の雲雀はいつもより機嫌が悪いのか。

いや、今日というよりも……実は、近頃の彼はずっとこんな調子だったりする。

何故かと言えば……

「おっ、はよーっすツナ!」
「あっ、山本おはよ〜」
「!」

その時、校門のすぐ近くで不意にそんな会話が聞こえて。その誰かの名前と、どこか呑気な声音に……雲雀は、ぴくりと形の良い眉を動かした。
あまりもに小さな変化だったため、誰も気付きはしなかっただろうが。

そして、ちらりとそちらへ視線を向ければ、

「なぁツナ、数学の宿題やったか?」
「やろうとしたけど、分からなかったんだよ〜。今日当たるのに、どうしよう……」

そこには、一人の男子生徒がいた。ふわふわの薄茶色の髪に、大きな瞳と幼い顔立ち。
小柄な身体を制服に包んだ姿は……どう考えても下級生にしか見えない。

だが、カッターシャツの襟に刺繍されたラインの色は、三年生……つまり、上級生のものだった。

その隣にいる、長身に黒髪の男子生徒はちゃんと年相応に見えるのだが……だが、雲雀が意識を向けているのはその小柄な彼だけだ。

そして、クラスメイトと談笑しながら正門へやってきた彼は、

「っ、ぁ……!」

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