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□A failure
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レオナルドとしての言葉を発しながらも、骸は少しホッとしていた。本来、ミルフィオーレがツナと接触してリングを奪うということは、すなわち彼の死を意味するのだ。
それが理由は分からないが、拉致されリングを奪われたとしてもこうして生かされていたのだから……内心、肺が空になるほど息を吐き出したいくらいだった。

だが、だからこそ白蘭の不可解な行動が気になる。何故、邪魔者であるツナをわざわざ拉致して、ここに監禁しているのか。
それも、白蘭のプライベートルームで。

困惑する骸の様子に、白蘭はさらに笑みを深くした。

「うん、それがさぁ……僕、綱吉クンのこと前から気に入ってたんだよね。だから殺しちゃうのは勿体ないし……どうせなら、ここで可愛がってあげようと思って」
「は……」
「それに、彼を人質にすれば守護者達もリングを差し出さずにはいられないだろ?目的も早くに達成することができそうじゃん」
「んぅぅっ…!」

その答えを聞いて、骸は確信した。決して、後者が一番の理由ではないということを。

何故なら、怯えて悲鳴を上げるツナの頬を撫で見下ろすその瞳は……明らかに、普通ではない感情を宿していたから。その紫電の瞳には、その小さな存在を貶めぐちゃぐちゃに嬲り尽くして……己のものにしたいという、ただならぬ欲望が感じられたから。

それは最早、世界の全てを自分のものにするという本来の欲望よりも強い……

「でね、しばらくは様子を見ようかと思ったんだけど……ほら、綱吉クンがこんなにも可愛いからさ」
「………」
「僕、もう我慢できそうにないんだよね」
「んんっ…!」

不意に、その柔らかな頬を撫でていた白蘭が、鎖を引き上げると小さな身体を無理やり抱き寄せた。それだけで、恐怖が最高潮に達したのか真っ青になるツナ。

そして、

「だからさ、もう今すぐ可愛がってあげようかと思って」
「っ……!」
「レオ君は、そこで見ててね?」

その言葉に、骸は今まで築き上げてきた何かが崩れ落ちるのを感じた。


***


「大人しくさせようと思って薬を使ったら効きすぎちゃってさ、もうこんな状態なんだ」
「んんんぅっ…!」

はだけられ露にされた白い肌を撫でれば、それだけでびくびくと震える細い身体。

先ほどから、ツナの頬が不自然に赤く息が乱れていたのは薬のせいだったらしい。身体も薄らと色付きしっとりとした汗が浮かんで、完全に薬が回っていることが分かる。

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