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□Accident!?
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―――ドカーンッ!

「っ、こらぁぁぁランボーっ!」

始まりは、いつもと同じだった。

居候のチビ達が家の中で大暴れをして、調子に乗ったランボが持っていた手榴弾を好き勝手に投げ付けたところ、

「あらあら大変!お風呂が壊れちゃったわねぇ」

それが、あろうことか家の浴室を盛大に破壊してしまって。

「これは修理に時間がかかりそうね……ツナ、しばらくお風呂は近くの銭湯に行きましょうか」
「えぇっ?めんどくさいなぁ……」

それが、まさかあんなことになるなんて……ツナは思いもしなかっただろう。


***


まだ夕日が完全に沈む前の時刻。ツナはシャンプーやタオル、着替えなどを持って一人銭湯のある商店街を歩いていた。
まだ入浴するには早いが、この時間帯の方が空いているだろうと奈々に言われたからだ。

「全く、ランボの奴…!」

毎日離れた場所に入浴しに行かなければならないのは本当に面倒くさい。ツナはてくてくと歩きながら頬を膨らませた。

ただ当の本人や他のチビ達は、奈々やビアンキが後で連れていくというのでまだマシかもしれない。銭湯でまで大暴れされたら、自分では手に負えないから。

(さっさと行って入って、帰ったらゲームしようっと)

だが、気を取り直して歩を早めようとした時だった。

「……あれ?ツナ?」
「えっ?」

道端から、聞き覚えのある声に呼ばれたのは。驚いて振り返ると、

「あっ、山本?」
「おー、どこ行くんだよこんな時間に」

それは、クラスメイトであり親友の山本だった。部活から帰ったばかりなのか、土埃に汚れたユニフォーム姿で学校の鞄を持っている。

そう言えばここは山本の近所だった、とツナはふと思い出した。すぐ向こうには、良く行くお寿司屋さんが見える。

「それがさぁ……」

ぜひ友人に愚痴を聞いてもらおうと、ツナはことのあらましを説明した。

すると、

「ははっ、そりゃ大変だったな!ていうか、それなら俺も一緒に行って良いか?」
「えっ?」

意外な言葉に、驚いて目を丸くしてしまう。山本はにっかりと笑って、

「そこの銭湯な、俺もたまに行くんだよ。汗だくだし汚れてるし、すっきりしたいからよ」
「えっ、でも大丈夫なの?急に…」
「大丈夫だって!一回ダチと行ってみたかったんだ」

準備してくるのなー!と、駆け足で家の中へ入っていく山本を待ちながら、ツナは憂鬱だった気分が少し軽くなっていた。

仲の良い友人となら楽しいだろう、と。


***

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