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□Half asleep
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しかもそれだけでなく、包み込まれるような心地のよい快感に……
(っ、だめ……!)
身体が熱くなりそうになって、ツナは慌てて首を振った。誤魔化すように、急いで身仕度を整え始める。
毎晩見る妙な夢……こんなこと、誰にも相談などできなかった。たかが夢だと思ってしまえば良いのだが……
(でも……)
それができないのは……
「ヌフフ、おはようございます綱吉」
「っ、ぁ……お、おはよう…ございます」
支度を整えてリビングへ降りると、すでに朝食の準備をしていたデイモンがいつもの笑みで迎えた。それにどきりとして、ぎこちない挨拶を返してしまう。
すると、
「おはようございます綱吉。今日も可愛いですね」
「ふぎゃっ!」
後ろから、骸に身体を包み込まれ耳に息を吹き掛けるように囁かれて……これまた飛び出すのではないかと思うくらい、心臓が大きく跳ね上がった。
「ちょ、もうっ…離せよ…!」
「夕方まで会えなくなるのですから、今のうちにこうしておかないと」
「意味分かんな……っ、やだ…!」
(だ、だめっ…!)
怪しく撫で回してくる手に、焦りばかりが募っていく。そんなことをされれば……
「それは同感ですね。では、私も可愛がってあげましょうか」
「可愛いものは、無性に愛でたくなるんですよね」
「っ……!」
“可愛い”“可愛がる”……その言葉に、心臓はさらに激しく脈打ち始めて。やがて……
「っ、おお俺っ…もう学校に行くからっ…!」
「おや、朝食はいらないのですか?」
「う、うんごめんっ…今日は、早く行かなきゃ駄目だったんだ…!」
耐えられなくなって、強引に骸の腕から逃れると転がるようにリビングを出た。
背中にかけられたデイモンの言葉にもろくな返事ができなくて、鞄を引っつかむと逃げるように家を飛び出す。
こんな真っ赤な顔を、見られる訳にはいかない。
「っ……!」
(どうしよう…俺、変だ……)
最近、デイモンと骸をまともに見ることができなくなっている。慣れたはずのスキンシップも、酷くドキドキしてしまって。
何故なら、
(何で…本当に…あんな……)
毎晩見る奇妙で淫らな気持ちになる夢。そこにいつもいるのが……いや、ツナに人形のような衣装を着せ、淫らな行為をしてくるのが……デイモンと骸の二人なのだ。
そう、ツナが最近悩んでいるのは、ただ奇妙な夢を見てしまうだけではない。何故かその夢に、世話になっている親子が出て、エッチな気分にさせられて。