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□Half asleep
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肌触りの良い絹の生地に、細やかな装飾のなされたレース。

足元まであるかと思われるスカートは裾に行くにつれて膨らみを増し、さらに広がりを見せるためふわふわのフリルが付けられている。
それが何故か不自然なほどめくれ上がって……露になった両足は、これもまたレースがふんだんにあしらわれた、膝上まである白いソックスに包まれていた。

(なん、で……)

そう、自分は今……男であるにも関わらず、落ち着いた色合いだが酷く豪奢な……ドレスに身を包んでいたのだ。まるで、街中の店でたまに見かける……西洋の人形のような衣装を。

「な、んで……ぁっ…!」

口にした疑問は、最後まで言葉にならなかった。先ほどまで感じていたぞくぞくとした快感。それがさらに強く、局所的に与えられ始めたのだ。
人形のような衣装の下、下半身に何かが絡み付くような違和感を感じる。

誰か分からない甘い声は、自分のものだった。

「ぁっ…ぁぁ……!」
「綱吉……我々の、可愛い人形」
「やだ、ぁ……!」

はっきりとしない視界。頭に直接響くような声。
上手く動かない、触れているのに触れていないような覚束ない感触。

それが、快楽によって白く染まっていく。

(また…だ……)

再びぼやけ始めた意識の中で、綱吉はぼんやりと思った。

(また、いつもの……夢……)

それらが完全に消える直前、

「ヌフフ……また遊びましょうね?綱吉」
「もっと、可愛がってあげますから……」
「っ……!」

最後に微かに見えたのは……あの独特の笑みと、つかみどころのない雰囲気を身にまとう二人。

その瞬間、

「っ、ぁぁ―――…!」

眩むような快楽に包まれて、完全に世界が白に染まった後……意識が急速にフェードアウトしていった。


***


「―――ぁ……」

薄らと目を開けると、視界に映ったのはいつもの天井。

「っ……!」

はっとして自分の姿を確認すると、寝た時と同じラフなTシャツにハーフパンツだった。別段変わったところはない。

(……また…あの夢だ……)

だが、何度か感覚を確かめるように手を握ったり開いたりした後、ツナは大きく息を吐き出した。頭に浮かぶのは、自分が今まで見ていた妙な夢。

(何で…毎晩毎晩……)

そう……ツナは最近、毎晩のように奇妙な夢に悩まされていた。
ぼんやりとしか覚えていないのだが、夢の中の自分は今時の女の子でも着ないような、本当に人形が着るような衣装を身に付けていて。

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