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□Half asleep
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だが、問題なのは……
「……ふぁ」
苦手な勉強の疲れからか、お腹がいっぱいになると急に眠くなる。先にシャワーは浴びたし、もう寝よう……ツナは、ぽてりとそのままベッドに倒れ込んだ。
(……今日は、普通に眠れるかな)
実はツナは、最近あることで悩んでいた。それはちょっと、いやかなり変わったことで、誰かに相談できるものではなくて。
(普通に…眠れますように……)
切に願いながら、そのうちに意識はだんだんと微睡んでいったのだった。
***
心地よい眠りに就いた……そのはずだった。
それなのに、
「ん…んん、ぁ……」
深く沈んでいた意識は、誰かの甘さを含んだような声にふわふわと浮上し始める。
(だ、れ…というか…身体…へん……)
おかしい。意識だけではなく、身体までふわふわと浮き上がるような感覚がするのだ。それだけではなく、ぞくぞくとしたものが全身を走り抜けて、じわじわと心地いいものが広がっていく。
(きもち、ぃ…なん、で……)
自分の身に何が起こったのだろうか。だが、意識がぼんやりしているためあまり上手く考えられない。
その時、
「ヌフフ……気持ち良いですか?綱吉」
「ん、ぁっ……!」
(え……?)
不意に耳元で響いた、聞き覚えのある声。だが視界にはまだ靄がかかっていて、ツナは必死にその姿を探そうとした。
すると、反対側から別の声が。
「クフ、本当に可愛い……可愛らしすぎて、どうかなりそうです」
「は、ぁっ……!」
(そんな、可愛くなんか…俺、男なのに……)
否定したいのに、首を動かすことすらできない。それどころか身体を襲う愉悦に、嬉しくないことを言われているはずなのに甘く響く声に、余計にぞくぞくしてしまって。
そして、
「いいえ、充分可愛らしいですよ。……こんな姿をして」
(こんな、姿……?)
「本当に良く似合っている……僕達の愛しい―――お人形さん」
(人、形……?)
その時、ぼんやりとしていた視界に僅かだが鮮やかな色が浮かび上がってきた。同時に、ふわふわとしていた身体に少しだけ感覚が戻ってくる。
自分は、どこかにもたれかかるようにして座っているらしい。目を開けると、薄らと自分の姿が見えた。
そして、
(……え?)
目に飛び込んできたものに、ツナははっきりとしない意識で驚いたのだった。
何故なら、自分は……
(どう、して…何で、こんな格好……!)
自分は、普段ならあり得ない姿をしていたから。