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□Half asleep
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イタリアのとある平和な街。その一角にある、あまり大きくはないが小綺麗な家の一つに、

「……ただいまぁ」

少し控え目な声で言いながら、一人の青年が中へと入ってきた。
大きな瞳に幼い顔立ち、小柄で華奢な体付きは日本人だろうか。恐らく二十歳前後だと思われるが……外国ではただでさえ幼く見られるというのに、この姿では明らかに未成年にしか見えないだろう。

その青年は玄関を抜けると、そっとリビングへ繋がるドアを開けた。だが、ソファーやアンティークの家具が置かれた部屋には誰もいない。

出掛けているのだろうか、と青年が首を傾げた時だった。

「……ヌフフ、帰ったのですね綱吉」
「うひゃぁっ!?」

誰もいなかったはずなのに、突然背後で人の気配がしたと思ったら……何者かに腰を抱かれていて。同時に、独特の笑い声と甘さを含んだ声音が耳朶を打つ。

綱吉と呼ばれた青年は、びっくりして飛び上がった。

「お、驚かせないで下さいデイモンさん!」

身体を離そうとしてもがっしり抱かれて解けないので、顔だけを後ろに向けて抗議する。

そこにいたのは、とても整った顔立ちをした男だった。ただセンスの良く分からない独特の髪型に、何となく怪しげな雰囲気をしていて。
しかも明らかにまだ若いのだが、独特のオーラのため何歳なのか分からない。だから、余計に怪しい人物に見える。

「心外ですね、私は最初からここにいましたよ」
「は、はぁ……」
「それよりも待ちくたびれました。お前が早く帰らないので、何かあったのかと」
「ふぁっ…!?」

さらに腰に回された手が何だか怪しい動きをし始めて、顔を必要以上に近付けてくるので、綱吉は慌てて彼を押し退けようとした。これ以上は、何となく危険な予感がする。

「だ、大学へ行って帰ってくるだけですから、何もないですよ!それより、心配なら普通自分の息子にするでしょう!」
「……僕が何ですって?」
「ひぇぇっ!?」

ようやくデイモンと距離を取り安心した綱吉は、すっかり油断をして……再び悲鳴を上げた。突然別の声が聞こえたかと思ったら、また背後から抱き締められたのだ。

「む、骸っ!?いつの間に…!」
「今帰ってきたばかりですよ。クフフ……相変わらず良い身体をしている」
「っ、や…やめろって…!」

顔を見なくても分かる。後ろには、デイモンと似た髪型と顔立ちをした……ただしまだ十代半ばの少年が、やはり似たような笑みを浮かべているのだろう。

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