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□That ends well...?
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自分がこの少年にそんなことをするなんて考えられない。だが、全く記憶がないほど酒を飲んだため、自分がどんな行動を取ったのかは分からないのだ。
つまり……真実を知っているのは、自分の目の前にいる少年だけで。
(だが…どうする…!?)
この少年に、昨日何が起こったのか率直に尋ねるべきだろうか?
(いやそれは無理だろ…!)
万が一そんなことが起こっていたとしたら、恐らく自分が酔った勢いで無理やりやってしまったことになる。何故なら自分達は元々敵同士で、今も完全に相容れる仲ではない訳で……それ以前に男同士だ、合意の上でやるなんて考えられない。
実際に昨日、微かに覚えている記憶では、ツナはスクアーロが現れてからというもの、ずっと緊張して俯きがちだった。きっと怯えていたに違いない。
それを、万が一何の勢いだか無理やりホテルへ連れ込み無理やりそんなことをして、覚えていないからどうのこうの言うなんて……最低すぎるではないか。
(な、何て言えば良いんだよ…!)
内心パニックを起こしている間にも、ツナはぱちぱちと瞬きをして完全に意識を覚醒しようとしている。
そして、
「ぇ……」
半分しか開かれていなかった目がぱちりと見開かれ、その大きな瞳いっぱいにスクアーロの姿を映した瞬間、
「ぁ……!」
「………!」
素っ裸の彼を見て、ツナは火が出るのではないかと思うほど頬を染めたのだった。瞳は潤み、耳まで真っ赤になってしまっている。
(っ、ななな何だその反応は!)
いくら裸で寝ていたことに驚いたとしても、同性の身体を見てそこまで恥ずかしがるだろうか。これは、何かがあったとしか……
(や、やはり……)
自分はやってしまったのだろうか。こんな、歳の離れた子どもを相手に。
「あ、あ゙ー…その、何だ…昨日は…」
「っ、ぁ……」
昨日という言葉にびくりと反応するツナに、スクアーロも内心その何倍をも心臓を跳ねさせる。
しかも、言葉を発したは良いもののどう言えば良いか分からず詰まっていると……何故かツナがもじもじとし始めて。
「スクアーロっ…その…昨日、は…ごめん…あんなことに、なっちゃって……」
「あん、あんなこと…!?」
(なっ、何だあんなことって!)
歯切れ悪く言うツナに、スクアーロは心臓が破裂するのではないかと思った。しかも目の前の少年は、顔を真っ赤にしたまま照れているようにも見えて……あらぬ想像をしてしまうのは当たり前ではないか。