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□That ends well...?
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(落ち着け落ち着け!昨日は確か……)
日本へは、数日前から任務で訪れていた。難なくそれを遂行して、今日イタリアへ帰るつもりだったのだ。
だが昨日、偶然知り合いの……というか元々敵同士で、剣を交えたこともある(スクアーロは今も気に入らない)人物に出会ってしまって。強引にその家へ連れていかれると、そこにこの次期ボス候補である少年とその仲間達がいたのだ。
そして、何のパーティーだか知らないが(どうせあの家庭教師の思い付きだろう)ひたすら食べてどんちゃん騒ぎをしている彼らの中に、無理やり参加させられてしまって。
(それから……)
それから確か……騒ぎ過ぎて変にテンションが上がったのか、未成年のくせに酒の飲み比べなどという勝負が突然始まったのだ。
ただ、スクアーロもその頃には諦めがついて、日頃の鬱憤が溜まっていたせいか自分も一人で飲み続けて……
(それ、から……?)
何ということだ、そこから先が全く思い出せないなんて。
一体自分は、いつの間にホテルへ帰ったのだろうか。そしてその際、何故あの場所にいたツナをここへ……
(……あり得ねぇ…!)
肝心なところが全く思い出せない。今までになかった事態に、スクアーロは完全に冷静な判断ができなくなっていた。
何故なら彼は……
「…ん、んんー……」
「うぉっ!?ゔぉぉぃっ!」
その時、スクアーロが起き上がった拍子に布団が捲れ肌寒くなったのか、ツナがもぞもぞと動き始めた。……温もりを求めて、スクアーロの方へ。
「っ、待て待て待てぇっ!」
裸のまま抱き付かれそうになって、焦ったように押し留める。ツナもだが、今はスクアーロも真っ裸なのだ。いろいろと危ないだろう。
すると、
「ん、んん……?」
怒鳴り声と身体を押し退けられた衝撃に、さすがのツナも目が覚めたようで。瞼が震えた後、ゆっくりと目が開かれていく。
やがて髪と同じ色の瞳が現れて、びしりと固まってしまって動けないでいる男を映した。
「ふ、ぁ……?」
「っ……!」
「すく、あーろ…?」
ツナは、まだ状況が理解できていないようで。ぽやんとした表情だとか、舌っ足らずな声に胸がどきりと……
(って!何考えてんだ俺は!)
もっと他にしなければならないというか、言わなければならないことがあるだろう……一瞬身体に走ったぞくりとした何かを慌てて打ち消した。
(だ、だが…俺は、本当に…?)