Main3

□Internal trouble
2ページ/11ページ



そしてここ最近、ツナはずっとリボーンからスパルタ指導を食らっていて……いくら振り回されるのに慣れている彼でも、さすがに堪忍袋の緒が切れそうな訳で。

「何回言われても、絶対にマフィアなんかにならないからなっ!」
「俺も、拒否権のないオメーの言うことは聞かねぇ。さっさと諦めろ」
「あああこの分からず屋ー!」

どこまでも俺様なリボーンに、切れそうではなく実際に何かが切れた。日頃から何やかやとめちゃくちゃにされて、鬱憤が溜まっていたのだ。

「リボーンのバカ!タレ眉!」

最後には、小さな子どものようなことを叫んでしまう。そして、おもむろに懐から薬の小瓶ようなものを取り出すと、中身を口の中に放り込んだ。

「!」

その瞬間、すぐに額と両手からオレンジ色の炎が吹き出して……ツナの雰囲気は、それまでとは一変していた。
冷静沈着な、死ぬ気モードのツナである。それも今日は激しく怒っているため、いつもよりも炎の勢いが強いような気がする。

「今日こそは諦めてもらうぞ、リボーン!」
「は、そうこなくちゃな」

拳を握り締めるツナに対して、にやりと笑い銃を構え直すリボーン。

その銃口から火が吹くと同時に、ツナも地を蹴りリボーンに殴りかかった。


***


ここ最近の修行は、マフィアになりたくないツナとマフィアにさせる気満々のリボーンとの戦い、のようなものになっている。それも、やはり最終的にはいつもツナが負かされてしまうのだが。

ちなみに、何とかリボーンを説得しようとするツナは、その度に自分の戦闘能力が上がっていくのに気付いていない。
もちろん、リボーンは全て計算済みなのだが。

ただ、

「はぁっ!」

全力でぶつかってくるツナの攻撃をいなしながら、リボーンはふと考えていた。もちろん、意識は彼に集中したままで。
最近のツナは、気を抜けばこちらも危ないほど強くなっているから。

だが、

(物足りねぇんだよな)

こんなことを言えば、余計にツナを逆上させてしまいそうだ、と内心笑う。

いろんなことを経て、ツナは心身ともに成長し続けている。それは家庭教師としても喜ばしいことだった。

だが、面白いことが好きなリボーンとしては、それだけではつまらない訳で。

「………」

目の前には、少しも曇りのない澄んだ瞳でこちらに向かってくる教え子。今ではしっかりとした自分の意志を持ち、それをはっきりとこちらにぶつけてくるようにもなってきた。

次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ