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□籠の鳥
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豊かな自然と広大な領土を誇るボンゴレ王国。

その中心地にある巨大な城―――ボンゴレ城。その謁見室で、

「―――っ、何故ですか陛下!一体何故…どのようなお考えで、そのような……!」
「考えも何も、全て今言った通りだ」

広い空間の中央にある、大理石の床に一本だけ敷かれた長い深紅の絨毯。そこに膝を着き頭を垂れながら、だがその青年は語気が荒くなるのを押さえきれない様子で叫んだ。
まだ十代後半くらいだろうか、銀色の髪に鋭い目付き、装飾のなされた白い軍服に身を包んでいる。

精悍で整った顔立ちは、だが今は苦しげに歪められ、頭上から降ってくる声に耐えるかのように唇を噛み締めていた。

その意識の向けられる先……部屋の中央奥にある、高い位置に設けられた王座には、一人の男がゆったりと腰をかけている。煌めくような金糸の髪に、神が造ったのではないかと思われるくらいの美貌の……こちらもまだ、二十代半ばほどの若い男だった。

だが、髪と同じ金の瞳は冷たいほど美しく透き通り、荘厳な衣裳を身にまとう姿からは何か壮絶なものを感じさせられる。

「しかし、陛下……!」

銀髪の青年がなおも言い募る。

そう……この王座に座る男こそが、その若さで王位を継承し、圧倒的な軍事力で自国を護り敵国の脅威を容赦なく排除する最高司令官でもある……ボンゴレ王国国王、ジョットだった。

その誰もを屈伏させ支配する力を持つ王は、下で頭を垂れる青年を冷たく見下ろしている。

その威圧的でいて、鋭い刃のような視線に震える身体を叱咤しながら、青年……王直属の特殊戦闘部隊副隊長……獄寺隼人は、己の主君にまっすぐ視線を向けた。

「恐れながら…やはり納得できません…!」
「………」
「何故…ようやく帰ってこられた綱吉隊長を地下牢などへ…!」

特殊戦闘部隊は、獄寺のような若い兵を集めた精鋭部隊だ。それもずば抜けた知力、高い戦闘能力を兼ね備えた者ばかりで構成された、ボンゴレ最強の部隊でもある。
彼らは常にジョットの側に存在し、王を護り王の命令にしか動かない。そのため彼らは、かなり高い地位を与えられている。

そして、その強者揃いの人間をまとめ上げているのが、弱冠十六歳で隊長を務める沢田綱吉だった。まだ幼さの残る彼は、だがその実力と年齢以上の冷静な思考力、判断力で部下からの信頼も厚い。

副隊長である獄寺も彼を敬愛し、ずっと右腕として仕えていた。

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