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□Developing
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ボクシング一筋だが頼りになる。話せば熱いだけではない、優しくて温かくて太陽のような笑顔を向けてくれる。

そんな了平を、いつの間にか意識するようになって。

それが恋だと気付いてからは、ツナの想いは了平一直線だった。
どうしても彼の傍にいたくて、卒業した後を追い掛けて同じ高校へ入学するほど。

だが、誰もが知っての通りボクシング命の了平が、ツナの想いに気付くはずもなく……いつまで経っても先輩と後輩、可愛い弟というような扱いに、ツナはとうとう我慢できずに告白をした。
恋愛などに興味がなさそうで、そもそもノンケな彼がゲイの自分を受け入れてはくれないだろう……正に、当たって砕けようという想いで。

だが驚くべきことに、了平からは承諾を得て……衝撃を隠せないまま、晴れて二人は正式に付き合うことになったのだった。

想い人と結ばれて、恋人になれたツナは夢見心地だろう。

ただ……めでたく結ばれはしたのだが、何事もそう簡単に上手く進展することはない訳で。


「……お、お兄さんっ…今度の日曜日、ボクシングの試合応援に行きますね!」
「おおそうか!絶対に勝つからな!」
「はいっ、頑張って下さい…!」

練習を終えた了平が制服に着替えて、二人で学校を後にする。
何せ学年が違うので、二人で過ごす時間はほとんど登下校の間しかないのだ。ツナにとっては一番幸せな時で、なるべくたくさんのことを話そうとしていた。

そして、学校以外でも一緒にいられるように一生懸命で。

「それで、あの…その次の休み、なんですけど…」
「そうだな、今度の試合が終わったら、またゆっくり遊びに行くか!」
「っ、はい……!」

願ってもない了平からの誘いに、ツナの表情が明るくなる。

だがすぐに、

「今度はどこへ行きたい?この間は近場だったし、少し遠くにでも…」
「ぁ……」

いろいろと考える了平に対して、ツナは少し表情を曇らせていた。

付き合い始めて、もう数ヶ月が経つ。それまでにいろんな所へ遊びに行ったりしたのだが……

(今回も…遊ぶだけ、なのかな……)

そう心の中で呟いて、微かに頬を染めてしまう。

ツナが言っているのは、いわゆる恋人同士にしかできない……キスやらその先の営みのことで。これまで、二人は全くそういう行為をしていないのだ。

了平にそのようなイメージがないのであまり考えられないのだが、意味のありそうな素振りや雰囲気なども一切見せなくて。

(というか…本当に何も考えてなさそう……)

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