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□Developing
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自分が、周りの人間とは少し違うかもしれないということに気付いたのは、中学生の頃。学校の同級生、先輩、先生……格好良い同性に驚くほど憧れて、胸がドキドキして。

それが、ただの憧れではないということに気付くまで、そんなに時間はかからなかった。

そして自覚してからは、特に高校生になってからは、そういう人から声をかけられたり、誘われたりすることが多くなって。

(でも……)

それらは全て断った。誰でも良い訳じゃないから。

自分は…自分が好きなのは……たった一人。


「っ……!」

放課後。長い長い補習を終えた一人の高校生……ツナは、ドキドキする胸を押さえながらとある場所へ向かった。
それは体育館の脇に立てられた、小さなログハウスのような建物で。

入り口には“ボクシング部”と書かれた立て札。建物の中からは、何かにぶつけるような物音と、誰かの声が聞こえてくる。

その声に心臓を跳ねさせながら……ツナは、ゆっくりとドアを開き中を覗いた。

そこには、

「極限―――っ!」
「………!」

力強い掛け声とともに、鋭いパンチでサンドバッグを唸らせる一人の男子生徒がいた。精悍な顔付きに、鍛えられたたくましい上半身を惜し気もなくさらしている。
汗に濡れて光る肌はスポーツマンらしく爽やかでいて、どこか艶めかしい。

(お兄さん…今日も格好良い……)

光る汗を流しひたすら己の鍛練を続けるその人物……一つ上の先輩で、ボクシング部主将である笹川了平を、ツナはうっとりと見つめた。

すると、

「……ん?おお沢田!来たのか!」
「へぁっ!?ぁっ、お疲れ様ですお兄さん…!」

ほうっと見惚れていたら、それに気付いた了平がツナの方を向いてにっかりと笑う。驚いて飛び上がったツナは、だがその男らしくも暖かい笑みに、頬を真っ赤に染めた。

「もうすぐ上がるからな、少しだけ待っていてくれ!」
「は、はいっ…!」

下校時刻間際の部室には、部長である了平以外誰もいない。彼は部活の後、いつも一人残ってギリギリまで自主練をしているのだ。

そしてツナは、放課後はたいがい補習で遅くまで残っていて……二人はほぼ毎日、一緒に帰ることができた。

何を隠そうこの二人……実は恋人同士だからだ。

中学生の頃、クラスメイトの兄である了平に強い憧れを抱いたツナ。常に熱血で燃えるような意志を持っていて、たまにむちゃくちゃな所もあるが……それらは全て真剣で、自分の信念をまっすぐにぶつけているからで。

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