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□Inside fence
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そのギラギラとした滾るような視線に、背筋に冷たいものが走り抜けた。

「ゃ…先生…はなして……」
「沢田…お前は本当に出来の悪い生徒だな……」
「っ……!」

ツナが後退れば、男も同じように近付いてくる。それ以上に距離を詰められて、だが恐怖に身体が上手く動かない。

「だからお前には、特別授業をしてやる……」
「な、に……っ、ぁっ…!」

やがて窓際まで追い詰められた瞬間、肩を強く押され乱暴に床へ倒された。身体を強かに打って痛みに呻くと、馬乗りになってきた男に両手を押さえ付けられる。

「ぃ、ゃっ……!」

明らかに教師が生徒にするような行動ではない。拒絶の声を上げ抵抗しようとして……ツナは顔を凍り付かせた。

「ふふ……」
「ひっ……!」

何故なら男の表情は、瞳は先ほどよりも血走り、どこか息を荒くして……血に飢えた、獣のようだったから。

そして、普段は少しも笑わないその口元が、いやらしく弧を描いていて。

一体誰だ、この男は。

「いつもは教えられないことを教えてやるよ……」
「………!」

急に目の前にいる男が誰なのか分からなくなって……恐怖と絶望に、視界が真っ暗になるのを感じた。


***


「んんっ、んーっ!」

狭く薄暗い部屋の中には、良く分からない物音とくぐもった悲鳴が聞こえていた。

「……沢田には、先生が作った薬を試してもらいたいんだ」
「ん、んぅっ…!」

夕日の差し込む窓際で、ツナは茜色に照らされた男を恐怖の目で見上げる。

ツナは、制服を乱された状態で拘束されていた。頭上で両手を布のような物で縛られて、窓の桟へ縫い止められている。口にはタオルを詰め込まれて、先ほどからろくに声を発することもできない。

制服はネクタイを解かれ、シャツの前を暴かれて白い肌を露出させられた。下は下着一枚で、細く滑らかな足が露になってしまっている。

だがそんな格好にされた羞恥よりも、ツナは男が怖くて仕方がなかった。
補習だと思っていたのに、いきなり豹変した教師にこんな状態にされて……これから何をされるのか、分からなくて震えるばかりである。

そんなツナを舐めるように眺めながら、男は白衣のポケットから小さな瓶を取り出した。中には、何かの液体が入っている。

「ずっと試してみたかったんだ…自分の自信作を……」
「んっ、ふ……!」
「沢田には、被験体になってどんな具合かを教えてもらう」

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