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□The best farce
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ある日の夕方。少しずつ陽が傾きかけてくる時刻。

母親に隣町へのお使いを頼まれたツナは、目的の場所へ行って用事を済ませて……それから、すぐに家へ帰るつもりだった。

それなのに、

「………!」

目の前に広がる光景に、自分は本当に何て運が悪いのだろう……と、心からそう思ったのだった。

隣町内のとある路地裏で、ツナは複数の男達に囲まれていたのだ。全員見たことのない顔触れが、恐らくどこかの中学の男子生徒だろう。
どれも髪を派手な色に染めて、制服をだらしなく着崩した、明らかに素行の悪そうな生徒だ。

そして、全員にやにやといやらしく笑いながら、ツナを舐めるような目で見下ろしている。

用事を済ませた帰り、突然この男達に囲まれたと思ったら、あっという間に路地裏へ連れ込まれてしまったのだ。普段から良く不良に絡まれるが、まさか隣町に来た時まで……自分の体質を恨むばかりである。

その間にも、男達はツナとの距離をじりじりと狭めていた。

「へぇ……何だ、可愛いじゃん」
「男だって聞いてたから乗り気じゃなかったけど……これなら全然イケそうだな」
「っ、っ……?」

言葉の意味を理解しようとする余裕など、今のツナにはない。
一歩後ろへ下がれば、同じように男達が迫ってくる。あっという間に、建物の壁まで追い詰められてしまった。

「ゃ…や、だ……」
「ははっ…やだ、だってさ」
「心配しなくても、大人しくしてれば気持ち良くなれるぜ」
「っ……!」

それが合図であったかのように、

「っ、ひ……!」

男達が一斉に距離を詰め手を伸ばしてくるので、ツナはキツく目を閉じ身体を強ばらせた。殴られたり蹴られたりするのだろうか……襲い掛かってくるであろう衝撃に、最早耐えるしかない、と。

すると、

「うわっ…!」

服をつかまれたかと思ったら、一瞬で地面に引き倒された。だが、その後来るであろう痛みがいつまで経っても来ない。

代わりに、

「っ、ぇ……!?」

何かを引きちぎる音が響き、肌が外気に撫でられて……目を開けると、自分のシャツの前が無惨に破かれていた。男の一人の持っていたナイフで、前を切り裂かれたのだ。

まさかそれで怪我をさせられるのか、とさらに青ざめたツナだったが、

「っ、ゃ……!?」

次いで周りの男達が触れてきて、そのまま多くの手が身体を撫で回し始めて……ツナの口からは戸惑いの声が上がったのだった。

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