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□A relation
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「っ、ん……」

まだ起きる気分にはなれなくて、ツナはベッドの中で一人、自分の身体を掻き抱く。先ほどジョットに悪戯をされた身体が疼くのだ。
ほんの少し、触れられただけだというのに。

今日のようなことは珍しくない。むしろいつものことだった。

息子として連れてこられたツナだが、ジョットのツナへの接し方は始めから普通の親がするそれではなかった。
ジョットは、ずっとツナを恋人であるかのように扱っていた。側にいる時は常に身体を抱き締め、キスをしたり触れたりするのは当たり前。寝る時はもちろん、入浴するのも一緒。

そして同性であるにも関わらず、血縁関係であるにも関わらず……身体を深く繋げ、激しく求め合うのだ。ジョットは、むしろツナのことを息子だとは思っていないのかもしれないと思うほど。

周りから見れば普通ではないだろう。だが、ツナは物心付く頃からそうしてジョットに愛され、また屋敷からはほとんど出ることがなかったので、それが当たり前だと思っていた。

それに、ツナもジョットのことが大好きで、愛していたから。

だが、

「っ…ジョッ、ト……!」

ツナは身体を丸くして、熱くなった自身を自分で慰めようとしていた。下着の中に手を入れて、くちゅくちゅと抜いて。
表情を切なげに歪ませ、呼吸を乱しながら。

だがそれは、どこか寂しそうにも見えた。


時間さえあれば激しく求め合う二人だが、ここ最近はジョットの仕事が忙しくてしばらく抱いてもらっていない。
幼い頃から強い快楽を叩き込まれた身体を、ツナは完全に持て余しているのだ。そうでなくとも、大好きな存在が側にいなくて寂しいというのに。

だが、ここ最近ツナの気分が落ち込んでいるのは、それだけが原因ではなかった。

それは、

(今日も…女の人と、会うのかな……)

ぽつりと、心の中でそう呟く。
仕事の関係で女と接するのは当たり前だし、華やかな場での付き合いもあるだろう。ただでさえ、ジョットはマフィアのボスではあるが、若く力もあり何より整った容姿をしている。
そんな話の一つや二つ、あってもおかしくはないのだ。

実際にツナは、何度かこの屋敷でジョットが知らない女性と話しているのを見たことがある。仕事で帰ってきた時、服に香水の匂いが付いていたことも。

それが仕事で関わった人物なのか、それとも個人的な……そう考えると、胸の辺りがきゅぅぅと締め付けられるのだ。

もしも、これから先……

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